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高額返礼品、法規制 ふるさと納税 違反なら除外

社会

2018年9月11日 13時59分

 ふるさと納税制度に関し、野田聖子総務相は十一日の記者会見で、抜本的に見直す方針を正式表明した。一部自治体が高額な返礼品を呼び水にして多くの寄付を集めることを規制するため、返礼品は地場産品に限り、調達費を寄付額の30%以下にするよう法制化。違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置を受けられなくなる仕組みを導入する。

 与党の了承を得た上で地方税法改正案を来年の通常国会に提出し、早期成立による同四月の施行を目指す。

 野田氏は記者会見で「一部の突出した対応が続けば、制度そのものが否定される不幸な結果を招く」と強調した。総務省は税優遇がなくなれば寄付が減り、高額返礼品などをやめざるを得なくなるとみている。今後、制度の詳細を詰める。

 ふるさと納税は、故郷や応援したい自治体に寄付すると、自己負担の二千円を除いた金額が住民税などから差し引かれる制度。自治体側が寄付のお礼として、農産物などを贈るのが一般的だ。

 総務省はこれまで、寄付額の30%を超えるような高額品や地元産以外の物品を避けるよう自治体に通知で要請してきたが、応じない自治体が後を絶たないことから、制度の不公平感を訴える声が上がっていた。

 総務省は同日、返礼品の見直し状況に関する自治体調査の結果も発表。今月一日時点で、全千七百八十八自治体のうち13・8%に当たる二百四十六が寄付額の30%超となる返礼品を贈っており、十月末までに見直す意向がないとしたのは全体の9・7%の百七十四に上った。

 地元産以外のブランド牛肉や外国産ワインなどを扱っている自治体は百九十あった。

 七月に公表した前回調査で高額寄付を集めながら見直し意向なしとしていた十二市町のうち、一部は改めて調達費、地元産品以外の品ともに見直す意向がないと回答。二〇一七年度の寄付額が全国トップだった大阪府泉佐野市は回答しなかったという。同省は十一月一日時点で再調査する。

◆地場産品限定 寄付額の3割以下に 自粛・拒否 改善要請、対応に差

<解説> ふるさと納税制度で、総務省が抜本的な見直しに着手する。強硬姿勢に転じた狙いは、自粛要請に従わず高額な返礼品を贈り続ける自治体に多額の寄付が集まるという、不公平の解消だ。放置すれば不満が高まり、制度の存続が危うくなりかねないとの危機感も背景にある。

 総務省は従来、地方自治を最大限尊重するため、強制力を伴わない通知で返礼品の目安などを示し、改善を促してきた。しかし、一部の自治体はいっこうに応じようとせず、通知に従った反動で寄付が減った自治体から「一定のルールに基づき競争できる環境を整えてほしい」との訴えや批判が続出していた。

 一方で、要請を拒み続ける自治体側も「財政が厳しく、少しでも自由に使える資金を確保したい」「返礼にふさわしい地場産品がない」といった切実な事情を抱える。

 それだけに見直し作業では、各地の声に十分に耳を傾けつつ制度の「ゆがみ」を改め、地方のいずれもが納得できる形で再スタートを切れるような配慮が求められる。 (共同・森永健太郎)

(東京新聞)

 

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