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北海道地震 迫る72時間、雨中捜索 道内全域に送電再開

社会

2018年9月8日 13時53分

安否不明者の捜索に向かう警察官=8日午前、北海道厚真町吉野地区で

 北海道は八日、最大震度7を記録した地震で、大規模な土砂崩れがあった厚真(あつま)町で安否不明者が新たに十人見つかり、死者が十九人、心肺停止は十一人となったと発表した。発生から三日目となったが、同町では依然九人が安否不明。災害現場で生存率が下がる目安とされる「発生後七十二時間」が九日未明に迫り、自衛隊や消防、警察などは捜索に全力を挙げた。

 北海道電力は八日朝、道内全域への送電を再開した。地震で最大時には道内全域の約二百九十五万戸が停電したが、同日午前八時現在、停電は約一万九千六百戸に減少し、ほぼ解消されたことになる。ただ政府は平日のピーク時に電力供給が追いつかない事態を想定し、計画停電などの準備を進めるとしており、高橋はるみ知事も節電への協力を求めている。

 新千歳空港では八日朝、国際線の運航が再開された。約九十便の発着を予定。前日に再開した国内線は通常の約九割の便が運航する見通し。

 厚真町では、土砂崩れが集中的に発生した吉野地区などを中心に自衛隊が夜通しで捜索。警察なども八日朝から再開し、土砂や倒壊家屋を掘り起こすなど作業を進めた。

 北海道によると、死者は厚真町で十六人、苫小牧市、むかわ町、新ひだか町で各一人。心肺停止の十一人はいずれも厚真町で、けが人は約四百人に上る。八日午前の避難者は計約一万二千人。捜査関係者らへの取材で、新ひだか町で犠牲になったのは五十五歳の男性と判明した。アパート二階の自宅で倒れ、死因は圧迫による窒息死だった。

 室蘭市や厚真町など七市町の七十五戸のほか札幌市の多数の建物でも被害が出た。厚真町北部の約十三キロ四方の山腹で多数の土砂崩れが発生し、同町吉野地区を中心とした約五キロ四方に集中していた。

 八日は寒冷前線が通過するため、被災地では断続的に雨が続いている。地震で地盤が緩んでいる恐れもあり、気象庁は二次被害に注意するよう呼び掛けている。

 菅義偉官房長官は八日の記者会見で、人的被害について死者二十一人、心肺停止六人、安否不明十三人と発表した。具体的な内訳には言及しなかった。

◆経産相「週明け計画停電も」

 世耕弘成経済産業相は七日午後に記者団の取材に応じ、北海道では引き続き大規模な停電が起こるリスクがあるとして「計画停電などあらゆる手段の準備を進めたい」と述べた。発動回避に全力を尽くすとも話した。「週明けから平常時よりも一割程度の節電が必須になる」と述べ、電力が完全復旧するまで節電への協力を呼び掛けた。

 世耕氏は復旧した家庭や企業に可能な限りの節電を要請。「店舗やオフィスの照明を間引き、使わない家電のコンセントを抜いてもらいたい」と呼び掛けた。北海道電は他電力から応援を受け入れ、全面復旧を急ぐ。

 計画停電は電力の供給余力を示す予備率が1%未満になると想定される場合に午前八時半〜午後九時に実施する。道内を六十区域に分け、一区域当たり一日に二時間とする。鉄道や病院など重要施設は除外する。

 北海道電は実施の前日夕方に対象区域や時間帯を決定しホームページなどで公表する。節電が進んで需要が減れば、直前であっても取りやめる。

(東京新聞)

 

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