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地上イージス2基取得 防衛費、5兆2986億円要求 過去最大更新

政治

2018年8月31日 13時58分

 防衛省は三十一日、総額五兆二千九百八十六億円に上る二〇一九年度予算の概算要求を決定した。概算時で過去最大を五年連続で更新し、一八年度当初予算の五兆一千九百十一億円からは2・1%増。朝鮮半島の緊張が緩和する中でも、弾道ミサイル防衛の関連経費として一八年度当初予算の三倍以上となる四千二百四十四億円を盛り込んだ。米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を新たに取得するため大幅増となった。

 ミサイル防衛経費のうち、地上イージスの関連経費は、日本全域をカバーするのに必要とされる二基合計で二千三百五十二億円。防衛省は七月、二基の取得費を計二千六百七十九億円と発表したが、搭載機能を減らすことによる費用の節減や、為替レートの下方修正により、金額を圧縮した。

 地上イージスに搭載する迎撃ミサイルSM3ブロック2Aの取得費は二百六十六億円、海上自衛隊のイージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM3ブロック1Bは五百五十二億円、SM6は百十一億円を盛り込んだ。弾道ミサイルを地上で迎撃する航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の改修関連費は百九十九億円を要求した。

 離島などを守るための海空の防衛力強化として、ステルス戦闘機F35A六機の取得費に計九百十六億円、潜水艦一隻の建造費に七百十一億円、新型の早期警戒機E2D二機の取得費に五百四十四億円を、それぞれ盛り込んだ。

 装備品取得で増えた総額の抑制を目的に、例年は二千億円程度を盛り込む米軍再編関連経費について、今回は額を示さず項目だけにとどめた。必要経費のため、総額は膨らむ見通し。

【解説】巨費に見合う効果あるか

 二〇一九年度の防衛予算の概算要求は、またも過去最大になった。要求を基に決定される当初予算は一八年度まで、四年連続で過去最大を記録しており、今回も更新する可能性が高い。高額な武器購入費が押し上げており、今後も膨らみ続ける見通し。肥大化が著しい。

 防衛予算は、五年ごとに今後の規模や導入する武器の種類、数量を定める中期防衛力整備計画(中期防)に基づき編成される。現中期防は年平均0・8%の割合で増やす計画で、一八年が最終年度。一九年度以降の次期中期防は年末までに策定されるが、増額のペースは上がりそうだ。

 安倍政権は「安全保障環境の悪化」を理由に、防衛予算の膨張路線を堅持してきた。自民党の安全保障調査会などが中期防見直しに向け、五月にまとめた提言は、北大西洋条約機構(NATO)が国内総生産(GDP)比2%を目標としていることを「参考」として、十分な予算を確保するよう求めた。政府は専守防衛の観点から、GDP比1%程度の水準を維持しているが、増額に拍車がかかりかねない。

 昨年八月には、日米の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)がとりまとめた共同発表で「同盟における日本の役割を拡大し、防衛能力を強化させる」と明記。トランプ米大統領は日本に米国製武器を購入するよう圧力をかけており、増強は対米約束でもある。

 しかし、地上イージスなどの高額な武器を買うことには批判も強い。朝鮮半島の緊張が緩和する中、本当に不可欠な武器なのか。巨額の支出に見合う効果はあるのか。検証が必要だ。 (新開浩)

(東京新聞)

 

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