【パリ=竹田佳彦】スペイン北東部カタルーニャ自治州で十一日、独立派住民らがデモを実施した=写真、ゲッティ・共同。十八世紀に地域が自治権を失った「カタルーニャの日」に当たり、市警察によると約百万人が参加。昨年十月の一方的な独立宣言後に自治権が停止されるなど独立運動は行き詰まっているが、変わらぬ熱気を示した。
独立運動では、中央政府が違憲とした住民投票や独立宣言に絡み、プチデモン前州首相ら元州政府幹部四人が国外逃亡中で、九人が身柄を拘束されている。デモは帰国に道を開き、解放を働き掛けることが狙い。
州都バルセロナ中心部の大通りには「独立」や「自由」の文字が掲げられ、赤と黄の独立旗がはためいた。拘束中のジュンケラス前州副首相の顔写真を拡大した旗もあった。
集会で演説した独立派弁護士は「自決権は基本的人権だ」と強調。AFP通信によるとトラ州首相はデモ後、「われわれの歩みが止まることはない」と述べ、あくまで独立を求める方針を示した。
六月に誕生したサンチェス政権は、ラホイ前政権の反独立強硬路線から対話路線に変わったが、独立には反対している。州政府が七月に実施した世論調査によると、独立支持は46%、反対が44%だった。