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ロシア人2容疑者に逮捕状 神経剤事件 英「軍の情報機関員」

国際

2018年9月6日 朝刊

 【ロンドン=沢田千秋】英南部ソールズベリーで三月に起きたロシアの元情報機関員らの暗殺未遂事件で英捜査当局は五日、ロシア国籍の男二人を容疑者として特定したと発表した。欧州連合(EU)各国に適用される逮捕状をとり、国際刑事警察機構(ICPO)に殺人未遂容疑で国際手配を要請した。七月に英国人男女二人が神経剤で死傷した事件も二人の犯行とみて調べている。

 発表によると、二人はアレクサンドル・ペトロフとルスラン・ボシロフの両容疑者。捜査当局は偽名とみており、本名は不明としている。

 メイ首相は五日、英議会で、二容疑者はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の職員と発表した。「二容疑者がロシアから出た時は必ず捕らえ、英国の法廷に連れてくる」と強調。「GRUは近年、ロシアによる有害な活動の鍵であり、その行動は全ての国の脅威だ。この事件を機にGRUの活動、手法の解明を強化し、協力国と情報共有する」と、ロシアをけん制した。

 三月の事件では、GRUの元大佐、セルゲイ・スクリパリ氏と娘が神経剤で意識不明となり、現場に駆け付けた警察官も重体となった。英国は神経剤を旧ソ連開発の「ノビチョク」と断定。スクリパリ氏の自宅玄関ドアから高濃度のノビチョクが見つかった。

 容疑者二人は、三月二日、モスクワからアエロフロート・ロシア航空で入国。ロンドン東部のホテルに滞在しながら、三、四両日にソールズベリーを訪れ、四日夜、出国した。

 捜査当局は、スクリパリ氏の自宅近くの監視カメラの映像から、二人が四日にスクリパリ氏宅の玄関にノビチョクを塗布したと結論付けた。二人が滞在したホテルの部屋の鑑識で、微量のノビチョクが付着した綿棒二本も発見したという。

 七月の事件について、捜査当局は「男女二人は標的ではなかった」と判断。男性が六月二十七日、ソールズベリーの寄付用ゴミ箱から香水の箱を拾い、それを手首につけた女性が死亡した。香水には高濃度のノビチョクが入っており、瓶と箱はフランスのブランド「ニナ・リッチ」に似せた偽造品だった。

 

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