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ミャンマー2記者禁錮刑「民主主義認めぬ判断」 国際社会の非難相次ぐ

国際

2018年9月5日 朝刊

 【ニューヨーク=赤川肇、パリ=竹田佳彦】ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの迫害問題の取材を巡り、ロイター通信の記者二人が国家機密法違反罪で禁錮七年の判決を受けたことについて、国際社会からは三日、「言論の自由や知る権利の大切さを認めない司法判断だ」(ミャンマー人権問題の国連特別報告者)などミャンマー政府への非難や反発が相次いだ。

 国連のグテレス事務総長は「言論や情報の自由は民主主義の礎石。大きな人権侵害の報道で記者らが訴えられるのは受け入れられない」と懸念を表明し、判決を見直すよう求めた。

 国連安全保障理事会で迫害問題を巡りミャンマー政府の対応を非難してきたヘイリー米国連大使は、声明で「ミャンマー軍が残虐行為を犯したのは誰の目にも明らかだ」と主張。その上で今回の判決は、ミャンマー政府にとって「もうひとつのひどい汚点になる」と指摘した。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部パリ、RSF)も「ミャンマーの報道の自由を大きく損ない、民主化路線に疑問を投げ掛ける」と有罪判決を非難し二人を釈放するようアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相らに促した。

 RSFによる直近の国別「報道の自由度ランキング」でミャンマーは百八十カ国中百三十七位。RSFは「スー・チー政権で報道の自由は優先課題になっていない」との見方を示し、迫害問題を契機に状況がより深刻になっているとみている。

 このほか欧州連合(EU)も声明で「即時かつ無条件の解放」を要求したほか、英国のフィールド外務副大臣は「まるで(軍政下の)旧ビルマ時代のようだ」と指摘。フランスの外務報道官は「報道の自由と人権への深刻な攻撃だ」と懸念を示した。

 

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