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ミツバチを取り戻そう ネオニコチノイド系農薬を仏が全面禁止

国際

2018年9月2日 朝刊

 【パリ=竹田佳彦】フランスは一日、世界各地で相次ぐミツバチの大量失踪に関係があるとされる「ネオニコチノイド系農薬」を全面禁止した。欧州連合(EU)は四月、同系統の農薬三種類について屋外使用の禁止を決定しており、規制の動きが広がっている。

 二〇一六年七月に成立した生物多様性回復に関する法律の施行に伴う措置。ネオニコチノイド系農薬は植物の殺虫効果が長く続き、散布回数を減らせるため、世界的に使われている。

 欧州では一九九〇年代からミツバチの大量失踪が発生し、死骸の分析から農薬の影響が懸念されていた。仏養蜂連盟によるとフランスではハチミツの生産量が一九九五年の三万三千トンから二〇一六年には九千トンに減少したという。

 仏政府は九九年以降、一部の同系農薬の規制を始めた。EUも一三年に主要三種類を暫定的に禁止して影響を調査。欧州食品安全機関が「ミツバチなどへのリスクを再確認した」との報告書を出している。

 連盟事務局長で養蜂家のアンリ・クレマンさん(58)は「この農薬の登場でミツバチの死亡率は5%程度から30%に上がった。今やほとんどの研究者が悪影響を認めている」と禁止を歓迎した。一方、同系農薬に頼ってきたテンサイ農家は反発。代替農薬の開発支援など、禁止による影響の緩和を求めている。

 日本でも同系農薬の規制を求める声は大きいが、厚生労働省は食品の残留基準を緩和するなど寛容な姿勢をとっている。

 

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