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北朝鮮拘束の男性帰国 政府、早期解放の意図見極め

国際

2018年8月29日 朝刊

 【北京=共同】北朝鮮に観光客として入国し今月上旬に拘束され、国外追放となった杉本倫孝(ともゆき)氏が二十八日、北朝鮮を空路で出国し、北京を経由して同日夜、羽田空港に帰国した。日本政府は拘束された経緯などについて調査。早期解放に応じた北朝鮮側に対日姿勢の変化があるかどうか慎重に見極める方針だ。

 三週間足らずでの解放は過去の事例と比べて短期間で、早期解放を求めていた日本政府の要請に応じた形。ただ北朝鮮メディアは連日、安倍政権を非難し、拉致問題も解決済みと主張している。安倍晋三首相が目指す日朝対話再開の糸口となるかどうかは見通せない。

 日本政府関係者によると、杉本氏は三十九歳の男性で、映像製作関連の仕事をしている。中国に拠点を置く旅行会社のツアーに参加して訪朝し、西部の港湾都市・南浦(ナムポ)で拘束された。

 杉本氏は二十八日午前、平壌発の高麗航空便で北京国際空港に到着。機内では黒い帽子にサングラス、黒いズボン姿だった。空港で北京の日本大使館幹部らが待ち受け、帰国便への乗り継ぎを案内した。

 河野太郎外相は二十八日の記者会見で、杉本氏から「政府として話を伺う」との意向を示した。北朝鮮が解放した狙いについては「先方の意図を申し上げる立場にない」と述べるにとどめた。

 北朝鮮関係筋は「罪が軽微だったために刑事手続きを取らなかっただけだろう」と語り、対日姿勢の軟化とは言えないとの認識を示した。

 朝鮮中央通信は、杉本氏が北朝鮮の法に違反する罪を犯し、関係機関が取り調べた上で「寛大に許し、国外追放を決めた」としている。

 

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