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メイ英首相に追い風 ライバル2氏「差別」批判受け苦戦

国際

2018年8月29日 朝刊

 【ロンドン=阿部伸哉】英国の次期首相の座をうかがう与党・保守党のジョンソン前外相と野党第一党・労働党のコービン党首の二人が、それぞれ「反イスラム」「反ユダヤ」の批判を浴びて苦しんでいる。メイ首相は欧州連合(EU)離脱交渉が行き詰まり政権基盤が揺らいでいるが、主要ライバル二人のつまずきはメイ氏に思わぬ追い風となっている。

 ジョンソン氏は今月、英紙デーリー・テレグラフへの寄稿で、イスラム教徒の女性が全身を覆う「ブルカ」や、目の部分だけを出すベールの「ニカブ」を、「郵便ポスト」「銀行強盗」に見えると表現。イスラム教団体や保守党内からも「ヘイトクライムを助長する」として謝罪や処分を求める声が噴出している。

 寄稿の趣旨は、デンマークが公共の場でブルカなどの着用を禁じ始めたことに「大人に服装を指示するのと同じで不適当」と批判する内容。しかし「ブルカは女性の抑圧という見方には賛成」とも明言している。

 この騒動にメイ氏も参戦し「一部表現は明らかに外見を侮辱している」と批判。英メディアによると、ジョンソン氏は謝罪や撤回を拒否している。

 一方、労働党のコービン党首は「反ユダヤ主義」を容認しているとしてユダヤ系団体から激しい突き上げを受けている。

 二〇一〇年に同氏主催のイベントで、壇上で同席していたゲストが「イスラエルはナチスと同じ」と発言していたことが発覚。また、コービン氏の取り巻きである党幹部も「労働党批判の裏には、ユダヤ系の熱狂的トランプ(米大統領)支持者がいる」と発言して物議を醸した。コービン氏は今月、「多くのユダヤ系の方を傷つけ申し訳ない」「党の対応が遅かったことを認める」と謝罪に追い込まれた。

 コービン氏は、イスラエルのパレスチナ政策に批判的なことで知られる。

 

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