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南北離散家族、死んだと思っていた兄と再会へ 「人生で一番のプレゼント」

国際

2018年8月24日 朝刊

23日、韓国・束草で、兄の生存を知った時の思いを語る李貞子さん=上野実輝彦撮影

 【束草(ソクチョ)=上野実輝彦】「人生で一番大きなプレゼントです」。二十四日から南北離散家族の再会事業に参加する韓国東部・蔚珍(ウルチン)在住の李貞子(イチョンジャ)さん(72)は一カ月前、四歳で生き別れた兄、リ・イヌさん(88)が北朝鮮で生存していると連絡を受けた。束草のホテルに前泊し、朝鮮戦争で死亡したと思い込んでいた兄との六十八年ぶりの再会を心待ちにする。

 李さんは九人きょうだいの末っ子。年の離れたイヌさんの記憶はなく、出征したまま行方不明になったと聞かされていた。警察からおいを通じて生存を知らされた時は、電話を切った後に涙が止まらなかった。

 かつて母は、幼い李さんをおんぶしながら「兄さんはいつ帰ってくるかな」と話していた。家族や近所の人から聞く兄の人物像は「親切で器用」。隣家のために作った木製の雪上そりはとても丈夫で、十五年間も使い続けることができたという。

 再会が決まり、期待で眠れない夜もあったという李さん。兄のためにガムやゼリーなどのお菓子、鎮痛剤やアレルギー薬などの医薬品に加え、衣類や日用品なども大量に買い込んだ。娘からは「お母さんがこんなにお金を使ったのは見たことがない」と驚かれた。

 他の親族と共に再会する。まず伝えたい言葉は「元気に生きていてくれてありがとう」。そして、故郷・忠清南道(チュンチョンナムド)の町や友人を覚えているか、尋ねてみたい。「きょうだいには南も北もない。兄さんが私たち親戚を再び結び付けてくれた」と目頭を押さえた。

 

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