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パレスチナ停戦 ハマスが意欲 調停案合意へ協議活発化

国際

2018年8月23日 朝刊

 【カイロ=奥田哲平】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスが、エジプトの仲介でイスラエルとの長期的な停戦に向けた協議を活発化させている。AFP通信によると、ハマス指導者ハニヤ氏は二十一日、「不当な封鎖を終わらせつつある」と合意に意欲を示した。実現すれば、二〇〇七年以来続くガザ地区の経済封鎖が緩和され、劣悪な生活環境が改善する可能性がある。

 ガザ地区では三月末から続く抗議デモで、これまでに百六十人以上が死亡。五月下旬以降は断続的にハマスとイスラエル軍の双方が攻撃を繰り返し、一四年のような大規模な戦闘が再燃する危険が高まっている。

 こうした状況を受け、エジプトや国連は長期的な停戦を模索。汎(はん)アラブ紙アルハヤトによると、双方が軍事行動を停止し、イスラエルがガザ検問所を開放▽ハマスがイスラエル軍兵士二人の遺体返還と拘束する市民二人を解放する▽インフラ再建と経済支援の促進−などの調停案を提示した。

 ハマスを含むパレスチナ側の各組織は、十七日からエジプト政府と首都カイロで協議。参加した「パレスチナ解放民主戦線」(DFLP)のサーレハ・ナーセル氏は、本紙の電話取材に「優先すべきはガザ市民の深刻な生活を終わらせることだ。前向きな話し合いが行われた」と明かした。

 ただ双方の停戦はこれまでも合意と破綻を繰り返してきた。イスラエル側は調停案への態度を明らかにせず、兵士の遺体返還を最優先の条件に掲げる。

 一方、カイロ協議には、自治政府のアッバス議長が率いる主流派ファタハは不参加で、ハマス主導の停戦交渉に反発を強める。パレスチナ自治区は〇七年以来、双方の対立で分断状態が続く。アッバス氏は十七日に「ハマスが独断で合意すれば、財政支援を止める」と警告するなど、分断が深まりかねない状況だ。

 

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