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フィンランド、対ロ警戒高まる 非加盟のNATO演習に今秋参加

国際

2018年8月21日 朝刊

ヘルシンキ市内でスポーツ施設として利用される地下空間。軍事的な脅威を受けた際には避難シェルターとなる

 北欧フィンランドで、ロシアの軍事的脅威に警戒が高まっている。フィンランドは欧州連合(EU)メンバーでありながら、北大西洋条約機構(NATO)には非加盟。千三百キロにわたって国境を接し、重要な貿易相手国としてロシアとの関係も重視してきたが、今秋のNATOの大規模軍事演習に参加を表明するなど、距離感は広がっている。 (ヘルシンキで、栗田晃、写真も)

 首都ヘルシンキには全長約三百キロにも及ぶ地下空間が広がっている。普段はスポーツや商業施設、駐車場などに利用されているが、非常時には七十二時間以内に避難シェルターとすることが義務付けられている。

 フィンランド国防省によると、非常時とは災害に限らず「軍事的な脅威も含まれる」という。ウクライナ南部クリミア半島併合以降、ロシアと欧米の摩擦が強まる中、ロシアからの軍事的脅威を想定しているのは明らかだ。

 フィンランドは一九一七年のロシア革命までの百年余り、ロシアに支配された過去がある。シェルターの建設は五〇年代に始まり、一定面積以上の建築物に対して設置を義務付けている。国内全域に広がり、現在では全人口の約65%にあたる三百六十万人を収容することが可能という。

 フィンランドは十月末、ノルウェーやバルト海などで行われるNATOの大規模演習に参加する。フィンランド国防省は「クリミア併合とウクライナ東部の紛争で、わが国周辺の治安状況も悪化した。バルト海で軍事的な緊張が高まっている」と警戒心をあらわにする。

 年間三百万人のロシア人が買い物などの目的でフィンランドを訪れ、貿易相手国としてのロシアはドイツ、スウェーデンに次ぐ三位。だが、「EUの対ロシア制裁導入後、企業は取引先をロシア以外に広げ、比重は下がっている」(フィンランド国営放送記者)といい、経済的にもロシアとの距離感が広がっているとみられる。

 

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