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文氏、対日批判を抑制 「光復節」演説 「仲介者」の役割強調

国際

2018年8月16日 朝刊

15日午前、ソウルで開かれた「光復節」記念式典で演説する文在寅大統領=上野実輝彦撮影

 【ソウル=上野実輝彦】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は十五日、日本統治からの解放を記念した「光復節」の式典で演説し、朝鮮半島の非核化や平和構築に向けて関係国の利害を調整する「仲介者」の役割を担っていく姿勢を強調した。米中をはじめとする周辺国に協力を呼び掛け、慰安婦問題など歴史問題で日本に対する批判的な内容は抑制した。

 文氏は北朝鮮に対し「南北協力による経済効果は、三十年間で百七十兆ウォン(約十七兆円)に達する」と指摘。北朝鮮が求める南北間の鉄道や道路の連結は年内着工が目標だとし、経済協力に意欲を示した。

 その上で「完全な非核化とともに朝鮮半島に平和が定着してこそ、本格的な経済協力が始まる」と非核化の必要性を訴えた。

 米国に対しては、北朝鮮が完全な非核化を履行した際は「相応する包括的な措置を迅速に推進」するよう要求。「米朝の根深い不信が消えれば合意は真に履行される」と、信頼醸成に努めるよう呼び掛けた。

 中国は「朝鮮半島の平和に大きな役割を果たしている」、ロシアは「南北ロ三国協力を進める」と説明。南北と米中ロに日本とモンゴルを加えた七カ国で「東アジア鉄道共同体」を構成し、経済協力を進めるよう提案した。

 文氏が周辺国の役割を強調したのは、非核化を巡る米朝交渉の停滞を打開したいためだ。非核化に協力するメリットを各国に提示して助力を求めつつ、韓国の存在感も高める狙いがあるとみられる。実際、文氏は演説で、九月に平壌(ピョンヤン)で予定する南北首脳会談で「非核化と(朝鮮戦争の)終戦宣言、平和協定(締結)に向け大胆な一歩を踏み出す」と宣言した。

 日本に対しても「韓日関係を未来志向に発展させ、朝鮮半島と東北アジア繁栄のため緊密に協力する」と歴史問題での批判を控えた表現にとどめ「協力は最終的に朝日関係の正常化をもたらす」と訴えた。

 

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