XMenu

米国防予算80兆円 「競争相手」中ロに対抗

国際

2018年8月15日 朝刊

 【ワシントン=石川智規】二〇一九会計年度(一八年十月〜一九年九月)の米国防予算の大枠を決める国防権限法が十三日、成立した。トランプ大統領がニューヨーク州フォートドラム陸軍基地で多数の兵士を前に同法案に署名した。戦費を含む総額は七千百六十億ドル(約八十兆円)で、過去九年間で最大。中国やロシアなどの「競争相手」を強く意識し、防衛力増強に加え取引規制措置などの条項も盛り込んで、両国への対抗姿勢を鮮明にしている。

 一九年度国防予算を巡っては、トランプ政権が二月の予算教書で、総予算四兆四千億ドルの約15・6%に当たる六千八百六十億ドルを要求していた。米議会は軍事増強へ向けて、支持を表明。さらに三百億ドル積み増した国防権限法案を今月上旬に成立させていた。

 トランプ氏は十三日、同法の署名に当たって演説し、「今こそ米軍を再建する」と強調。「現役兵士を数千人増やし、老朽化した戦車や航空機、艦船を最新鋭の技術を持つものに刷新していく」と語った。

 具体的には、最新鋭ステルス戦闘機F35の購入費や、バージニア級原子力潜水艦を含む新たな艦船の建造費などを盛り込んだ。

 同法は軍事支出だけでなく、昨年十二月策定の国家安全保障戦略で「戦略上の競争相手」と位置付けた中国やロシアに対抗するための条項も含まれる。

 中国に対しては、通信機器大手の中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)と米政府・企業の取引を制限。また、南シナ海の軍事拠点化をけん制する狙いで、多国間海上演習「環太平洋合同演習(リムパック)」への中国の参加を禁止すると明記した。

 ロシアに関しては、十一月の中間選挙を念頭に、サイバー攻撃に対処するための追加措置を盛り込んだほか、ロシアの核兵力に対抗するため、核戦力の研究開発を促進すると規定した。

 

この記事を印刷する