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北朝鮮外相が米非難 「制裁維持」に不満表明

国際

2018年8月5日 朝刊

 【シンガポール=北川成史】東南アジア諸国連合(ASEAN)各国や日本、米国、北朝鮮などが参加したASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議が四日、シンガポールで開かれ、朝鮮半島情勢などを協議した。北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相は朝鮮半島の非核化の意思を示しながら、国連安全保障理事会の制裁維持を訴える米国を非難した。

 今年六月の米朝首脳会談の共同声明で米国は北朝鮮への安全の保証を、北朝鮮は朝鮮半島の完全非核化をそれぞれ約束している。李氏は「非核化に向けた核実験中止措置などに対し、米国では制裁を維持すべきだとの声が高くなっている」と不満を表明。「焦りは信頼醸成の役に立たない」と批判した。

 一方、ポンペオ米国務長官はツイッターで、トランプ米大統領から金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に宛てた書簡を李氏に渡したと公表した。手渡したのは北朝鮮との実務者協議担当者で随行中のソン・キム駐フィリピン大使。トランプ氏に一日に届けられた正恩氏の書簡に対する返書という。

 米朝が駆け引きを続ける中、北朝鮮が加わる数少ない国際会議で、朝鮮半島の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を議長声明に盛り込むかが注目された。

 昨年八月の議長声明では、昨年七月の北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などに「重大な懸念」を表明。一部の国がCVIDへの支持を表したと明記した。北朝鮮に安保理の制裁決議の全面履行を求めるとともに、拉致問題の即時解決の重要性に触れるなど、北朝鮮に厳しい態度を示していた。

 今回は今年四月に行われた韓国と北朝鮮の南北首脳会談や六月の米朝首脳会談を受け、融和ムードが漂う。ARFに先立ち四日、ASEANプラス3(日中韓)外相会議や、ASEAN各国と日米など計十八カ国の東アジアサミット外相会議が開かれた。

 北朝鮮が加わらないこれらの会議の議長声明案では、南北や米朝の首脳会談を歓迎しつつ「CVIDをもたらすための国際協力への支持」を表している。

 二日に発表されたASEAN外相会議の共同声明でも二つの首脳会談を歓迎する一方、CVID実現への支持を表明している。

 

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