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ロヒンギャ「抜本解決を」 ASEAN外相会議 共同声明踏み込む

国際

2018年8月4日 朝刊

バングラデシュのコックスバザールに逃れたロヒンギャ難民=7月2日(ロイター・共同)

 【シンガポール=北川成史】東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は二日に発表した共同声明で、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの迫害問題について「根本的な原因解決の必要性」を強調した。内政不干渉が原則のASEANとしては踏み込んだ表現となっており、多数のイスラム教徒を抱える加盟国の意向が働いたとみられる。

 昨年八月下旬、ミャンマー西部ラカイン州で、ロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突後、約七十万人がバングラデシュに逃れた。両国政府は帰還開始で合意したが、難民が迫害を恐れ、帰還は進んでいない。

 フィリピンのカエタノ外相によると、会議ではミャンマーのチョー・ティン国際協力相から、ラカイン州の状況や難民帰還準備の説明があったという。

 声明では「(難民の)自主的な帰還の迅速な開始」や「紛争の根本的な原因解決」の必要性を強調した。難民流出後初となった昨年十一月のASEAN首脳会議の議長声明では、ロヒンギャ問題に間接的に言及しただけだった。難民帰還が一向に進まず、国際的批判が高まり、今年二月の外相会議の報道声明では、ようやく帰還の迅速な開始への「期待」などが表明された。今回はその流れを受け、踏み込んだ表現となった。

 今回は昨年八月の衝突から一年となるのを前に、イスラム教徒が多数を占めるマレーシアやインドネシアなどが早期の帰還実施や紛争原因の解決などを促したとみられる。

 ミャンマー政府は先月、外国人を含む迫害問題の調査委員会を設置するなどして解決への努力を国際社会にアピールしている。だが、人権団体などはその実効性を疑問視。政府はロヒンギャを民族と認め、国籍を付与するなどの根本的解決策を示しておらず、問題がさらに長期化することは避けられそうにない。

 

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