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世界熱波 欧州に大規模高気圧 温暖化の影響指摘

国際

2018年7月26日 朝刊

 今夏、記録的な熱波が日本を含む北半球で猛威を振るっている。熱中症による死者が相次いだ上、山火事や干ばつなど自然災害を誘発して甚大な被害を及ぼした。専門家は高温傾向が当面続く見通しを示し、地球温暖化に伴う気候変動の影響を指摘した。

 世界気象機関(WMO)によると、欧州で続く高温は大規模な高気圧が停滞する「ブロッキング高気圧」と呼ばれる現象が原因だ。これが起きると、同じような状態が長期間継続して異常気象をもたらすことが多く、WMOは「北欧では二週間は高温が続く」と予測する。ギリシャの首都アテネ近郊では二十三日、大規模火災が発生。熱波の影響で拡大した可能性があり、死者八十人、負傷者百八十人以上の大惨事となった。

 日本の気象庁気候情報課は「長期的にみると顕著な高温が増えている。背景には温暖化の影響もあるだろう」と分析している。

◆熱中症/ゆがむ線路/山火事多発/農業打撃

 猛暑が世界を覆い、カナダや韓国で熱中症による死者が相次いだほか、欧州や米国では山火事が続発し犠牲者が出た。観光や農業、畜産への影響も報告され、被害が拡大している。

 カナダ紙によると、ケベック州では七月上旬、気温が四〇度近くまで上昇し、少なくとも九十三人が熱中症などで死亡した。大半は高齢者や慢性的な病気を抱える人で、家に冷房がなかったという。

 韓国では二十四日、南東部の慶尚北道永川(キョンサンプクトヨンチョン)などで四〇度を超えた。政府によると、熱中症患者は二十三日までに死者十四人を含む計千三百三人に。水温上昇で養殖魚が大量死し、高速鉄道KTXの一部区間では線路の温度が約六十一度になり、レールが熱でゆがむ可能性があるため徐行運転した。

 またスウェーデンでは高温と乾燥した天候のため、中部を中心に山火事が多発している。地元メディアによると、これまでに二万五千ヘクタールの森林が焼失した。同国の農業・畜産業への影響は深刻だ。飼料になる穀物の生育に被害が出ており、餌の不足を懸念して牛を処分する畜産農家も。農業団体幹部は「この五十年で最悪の危機」と指摘している。

 米カリフォルニア州では十数カ所で山火事が発生。ヨセミテ国立公園近くでは十三日から山火事が起き、消防士一人が死亡した。

 

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