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政府、独立派の活動禁止検討 香港民主勢力に警戒感

国際

2018年7月23日 朝刊

21日、香港で香港政府に抗議し、デモ行進する民主派=共同

 【香港=浅井正智】香港政府が、香港独立を主張する急進的な政治団体・香港民族党に対し「国家の安全や公共の秩序を守るため」という理由で、活動禁止命令を出すことを検討していると表明したことを受け、民主勢力が警戒を強めている。禁止命令が出れば、一九九七年の中国返還後初めてという異常事態だ。香港独立運動に断固とした姿勢で臨む習近平(しゅうきんぺい)政権の意向が背景にあるとみられる。

 民族党に来月七日までに釈明の機会を与え、その上で最終判断する。禁止命令が確定した場合、民族党は非合法となり、集会を開催すれば刑事罰に問われる。

 民族党は二〇一四年の民主化デモ「雨傘運動」が失敗した後、急進的な参加者が一六年に設立した政治団体。創設者の陳浩天(ちんこうてん)氏は同年の立法会(議会)選挙に出ようとしたが、当局が立候補を認めず、立法会に議席はない。

 香港政府で治安部門を担当する李家超(りかちょう)保安局長が十七日、禁止命令の検討を明らかにした。国家の安全保護を目的とした「社団条例」を根拠に持ち出し、「結社の自由も法の制限を受ける」と強調した。

 これに対し、民族党の陳氏は「香港の独立運動と民族運動を抑圧する卑劣な行為」と反発。民主派政党・公民党の楊岳橋(ようがくきょう)立法会議員も「これまで暴力団に適用されていた法令を、今度は政治団体の取り締まりに使おうとしている」と非難するなど、他の民主勢力も相次いで政府の姿勢を追及している。

 強い反発は「国家の安全」を口実とした独立派の活動禁止をきっかけに、締め付けの対象を拡大するのではないかと警戒しているためだ。とりわけ、独立も視野に入れ、住民投票で香港の将来を決することを目指す「自決派」は、次の標的にされる可能性がある。今年三月の立法会補選に出馬しようとした自決派「香港衆志」の女性幹部は立候補が認められなかった。

 天安門事件から二十九年を迎えるに当たり五月に行われたデモでは、民主派が掲げた「共産党一党独裁を終わらせろ」のスローガンを、親中派の一部が香港基本法に触れると問題視。民主勢力への執拗(しつよう)な攻撃は習近平体制が二期目に入って顕著になっている。

 

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