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民間防衛隊ら800人退避 シリアで救助活動 ネット配信

国際

2018年7月23日 朝刊

 【カイロ=奥田哲平】イスラエル軍は二十二日、シリア内戦で負傷者の救助活動を担う民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ=WH)のメンバーとその家族約八百人を、シリア南西部からヨルダンに退避させたと明らかにした。米国などの要請で実施された脱出作戦で、今後英独やカナダが難民として受け入れるという。AFP通信などが伝えた。

 WHは二〇一三年ごろから、主に反体制派支配地域で活動。三千七百五十人のボランティア隊員がアサド政権軍の攻撃を受けた戦災者を救助し、インターネットを通じて内戦での民間人犠牲の実態を世界に伝える。その姿を描いた映画が昨年二月のアカデミー賞で短編ドキュメンタリー賞を受賞したほか、ノーベル平和賞候補にもなった。

 一方で実態は欧米各国の資金供与を受け、イスラム過激派を含む反体制派のプロパガンダに加担しているとの指摘も。「テロリスト」とみなす政権軍はたびたび攻撃対象にした。

 シリア南西部ダルアー県、クネイトラ県は七月、政権軍がほぼ奪還。避難民が隣接するイスラエルとヨルダン国境に押し寄せたが、両国は受け入れを拒否した。イスラエル軍は今回、南西部のWHに「危険が差し迫った」ために人道的観点から救出したとしている。

 シリア内戦はロシアを後ろ盾とするアサド政権の軍事的優位が明確になり、残る反体制派の拠点は北西部イドリブ県のみ。同県にいるWH幹部のラエッド・サレハ氏は本紙の電話取材に「南部で危険な地域に閉じ込められたため避難を決めた。北西部では活動を続ける」と話した。

 

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