XMenu

テン選手の悲劇「世界中が悼んでいる」 カザフスタン 市民葬で別れ

国際

2018年7月22日 朝刊

21日、カザフスタン・アルマトイで行われたデニス・テン選手の市民葬に参列、追悼する人々=ロイター・共同

 【モスクワ=栗田晃】二〇一四年ソチ冬季五輪フィギュアスケート男子の銅メダリスト、デニス・テン選手(25)が母国カザフスタンで刺殺された事件で、事件の起きた最大都市アルマトイで二十一日、市民葬が行われ、多くの市民が国民的英雄の死を悼んだ。

 インタファクス通信などによると、多くの人が早朝から列をつくり、花束や縫いぐるみを手向けた。カザフ出身の世界的ボクサー、ゴロフキン選手ら親交のあった仲間も参列。テン選手には日本など各国にもファンが多く、ムハメディウルイ文化スポーツ相は「カザフスタンだけではなく、世界中が死を悼んでいる」と述べた。

 フィギュアでカザフ初の五輪メダルをもたらした四年前の歓喜から一転、国中は追悼ムード一色に染まった。一部放送局は白黒画面での放送や、娯楽番組の自粛を決定。商業施設などでもイベントが中止された。

 事件は十九日の日中に発生。テン選手が路上に止めた自身の車からミラーを盗もうとしていた二人の男と争いになり、刺された。ナザルバエフ大統領は徹底捜査を指示。地元メディアによると、警察は殺人容疑で、ともに二十四歳の男二人を逮捕した。

 二人は強盗や窃盗などの前科があり「テン選手とは知らなかった」と話しているという。カザフ当局のデータによると、近年、治安状況は改善傾向にあるが、転売を目的にした自動車部品盗は頻繁に発生。テン選手の車のミラーも六万テンゲ(約二万円)ほどの価値が付けられていたという。

 

この記事を印刷する