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北「新たな入国者ない」 拉致問題 田中、金田さん以外

国際

2018年7月22日 朝刊

 日本人拉致問題を巡り、北朝鮮が日本側との最近の接触で、四年前に入国を認めた神戸市の元ラーメン店員田中実さん=失踪当時(28)=と、同じ店の元店員金田龍光(たつみつ)さん=同(26)=以外に「新たな入国者はいない」と伝えていたことが二十一日分かった。日本政府関係者が明らかにした。伝達時期は、米朝首脳会談が開かれた六月十二日前後とみられる。

 北朝鮮は米国や韓国と対話姿勢に転じた後も、拉致問題については再三「解決済み」と訴えているが、具体的な主張内容が明らかになったのは初めて。拉致問題の進展は現時点では厳しい情勢で、日朝首脳会談を目指す安倍晋三首相は難しいかじ取りを迫られる。

 日本の外務省幹部は共同通信の取材に「コメントできない」と答えた。

 政府は、田中さんを拉致被害者と認定、金田さんを拉致の可能性が排除できない行方不明者としている。

 北朝鮮は、拉致問題の再調査などを盛り込んだ二〇一四年五月のストックホルム合意後の同年秋ごろ、田中さんと金田さんの入国情報を、再調査の「中間報告」として示していたことも新たに判明した。

 北朝鮮は〇二年の日朝首脳会談で、横田めぐみさん=同(13)=ら十三人の拉致を認めた。日本政府が被害者に認定した計十七人のうち五人が帰国。残る十二人について北朝鮮は「八人が死亡、四人が未入国」と主張していた。田中さんは未入国とされた一人だった。

 北朝鮮は、ストックホルム合意を交わす直前に、それまでの主張を一転し水面下の協議で田中さんの入国を認めた。この際、金田さんについても「入国していた」と初めて伝えてきた。

 田中さんは一九七八年六月に日本を出国後、消息を絶った。元工作員とされる男性(故人)が告白して発覚した。田中さんと同じ養護施設出身で在日韓国人の金田さんは七九年十一月ごろ、欧州訪問の打ち合わせのため「東京に行く」と周囲に語ったまま、神戸を離れ行方不明になった。

 

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