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<ひと ゆめ みらい>飲んで人の輪広げたい 「神田をワインの街にしようの会」実行委員長・山本由紀さん(44)

東京

2018年9月3日

旧中学校敷地でブドウを栽培しワインを作ろうとしている「神田をワインの街にしようの会」の山本由紀さん=千代田区で

 「肩肘張らず気軽に人と人をつなげられるのがワイン。一緒に飲めばどんどん人の輪が広がる」。千代田区・神田エリアでワインのイベントを仕掛け、街の活性化を目指している。

 三十歳で岡山県から上京。お酒は好きだが、ワインに造詣が深かったわけではない。勤務先の神田の街でふらりと立ち寄ったワインショップがワインの見方を変えた。試飲を重ね、その奥深さと集まってくる人たちに魅了された。

 ビジネス街として知られ、多くの会社員が集まる神田には、駅周辺に居酒屋が軒を連ねる。にもかかわらず、近年は、再開発の著しい丸の内や大手町、日本橋など近隣の街に人が吸い上げられ、盛り上がりに欠く、と感じている。

 「神田は地名の認知度は高いのに、街がどこを目指しているのかはっきりせず、魅力が埋没してしまっている」と語り、「女性同士で飲食を楽しむ人が神田の街でほとんど見かけないのも残念」と苦笑する。

 ただ、人情味にあふれる神田は好きな街であることに変わりはない。「ワインで街の特徴を出せたら」と、二〇一三年十月、ワイン愛好家約十人が集まり、「神田をワインの街にしようの会」を立ち上げた。

 手探りの中で一四年十月から始めたのが、「神田・日本橋ワイン祭り」だ。参加者に渡すのはワイングラスと参加店を記した地図。訪れた店ではワイン一杯が無料で振る舞われ、スタンプラリー形式のビンゴも企画した。以来、毎年開催する祭りは一日で千二百人以上を呼び込む恒例行事として定着しつつある。

 「もっと多くの人にワインの魅力を知ってもらいたい」と、神田エリアの飲食店向けにワインの勉強会も開催。イベントを一段と本格化させるために昨年二月、同会を一般社団法人化した。

 今年四月には、神田駅に程近い旧千代田区立今川中の花壇を利用し、ブドウの栽培を始めた。ブドウの木は計五本と小規模ながら、「神田 今中 ぶどう園」と名付け、丹念に育てている。

 花壇の土に十分な養分があったのか、ブドウは今夏、早くも小さな房を付けた。本格的な収穫は三〜四年後を見込むが、「ゆくゆくは、神田産のブドウを使った『神田ブランド』のワインをイベントで提供できるようになれば」と夢を膨らませる。 (神野光伸)

<神田・日本橋ワイン祭り2018> 10月20日正午〜午後5時、計25店舗で開催。受け付けは当日午前11時半〜午後3時、JR神田駅南口のキオスク前。参加するにはウェブや参加店舗で前売り3000円、当日3500円(前売り券1500枚完売の場合はなし)のチケット購入が必要。問い合わせは=info@kandawine.com=へ。

 

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