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89歳の税理士・黒川さん 銀座で絵画展「変わる街の姿残す」

東京

2018年8月28日

出来上がった「京橋今昔」について話す黒川さん=中央区で

 八十九歳の洋画家黒川英夫さんが、現役税理士として事務所を構える京橋を絵にして、十一月に中央区銀座で開く個展で披露する。ビルの建て替えが進み、急速に姿を変える京橋の「今の姿をとどめておきたい」と話している。 (松村裕子)

 作品は50号の大作「京橋今昔」。ワイングラスなどを配し、夜の京橋をイメージした抽象画だが、自社ビルを含め京橋の街並みをほぼ忠実に再現した。一九三三年築の中央区文化財の明治屋京橋ビルをはじめ、昭和三十、四十年代に建てられた古いビルも描き込んだ。夜の闇は、砂鉄や備長炭の粉末を塗るなど新しい画材を用いて表現、斬新さを出した。

 約十年前から京橋を拠点に税理士事務所や不動産業を営むが、地元を画題にしたのは初めて。新しいビルが目立つようになり、近く建て替えられるビルもあり、「ほぼ五十年間、あまり変わらなかった街が大きく変わる前に現状をとどめたい」と筆をとった。「京橋の街の雰囲気を出すのが難しかった」と話し、仕事の合間にスケッチし、アイデアを書き留め、三カ月がかりで仕上げた。

 五十歳のとき妻に「この先、趣味がないと困るのでは」と言われて洋画教室に通い始めたのが、絵を描くきっかけ。十年ほど基礎を学んだ後は独学で描き続け、約二十年前からは個展も開く。不動産業のビル点検では階段を上り下りし、画業でも頭と指先を使う。健康維持のためにも、今後も仕事も画業も続ける意向。

 個展は十一月十二〜十七日、銀座のギャラリームサシで大作を中心に十数点を展示する。「今後の励みになる」と大勢の来場を期待している。

 

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