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<夏の甲子園>二松学舎、広陵突き放す

東京

2018年8月14日

スタンドにあいさつに向かう二松学舎大付ナイン=いずれも甲子園球場で

 第100回全国高校野球選手権大会8日目の十二日、第1試合で二松学舎大付(東東京)は前回準優勝の広陵(広島)と対戦し、5−2で勝利した。初回、4番打者の保川遥選手(三年)の2点適時打で先制。五回に同点にされると、七回に右田稜真選手(二年)の2点適時打と保川選手の適時打で勝ち越した。先発投手の海老原凪(なぎ)選手(同)と岸川海選手(三年)が広陵の反撃を2点に抑えた。3回戦は、十六日第2試合で浦和学院(南埼玉)と対戦する。

 一塁側アルプス席は、二松学舎大付のスクールカラーである緑色に統一された「応援団」で、びっしりと埋まった。

 チャンスはいきなりやってきた。一回裏1死一、二塁の場面で、4番打者の保川遥選手が左中間へ2点適時二塁打を放って先制。父の大助さん(50)は「三年間の思いが一つになって打球に乗ってくれた。涙が出そう」と、みんなでメガホンをたたき合って先制点を喜んだ。

 先発は二年生左腕の海老原凪投手。「打たせて取る投球でとにかく抑えてくれ」という父の淳さん(46)の願いが通じたかのように、要所を締め、三回までゼロ点に抑えた。四回表に2死満塁から適時打を許し、エース右腕の岸川海投手に継投。岸川投手は後続を内野ゴロに打ち取る。五回表は同点本塁打を打たれたが、後続を3人でピシャリ。吹奏楽部長の三浦悠樹さん(二年)は「この調子で落ち着いて、最後まで思いの丈をぶつけてほしい」と音量を高めた。

 苦しい中盤をしのぐと、七回裏1死二、三塁の好機が訪れた。アルプス席から「かっとばせー、二松」の大歓声が響く中、右田稜真選手が勝ち越しの右前2点適時打を決めた。父の紀幸さん(45)は「『抜けろ』という思いが通じたみたい。このまま逃げ切って」と、祈るようにグラウンドを見つめた。

 3点リードで迎えた九回は、併殺で試合終了。生徒や保護者らは抱き合ったり、ハイタッチをしたりして喜びを分かち合った。野球部保護者会長の平間勇二さん(49)は「しっかり守って、少ない好機でよく打ってくれた。この先も一戦一戦頑張って」とエールを送った。

  (山口登史)

<ヒーロー>得意の右打ちで決勝点 二松学舎2年・右田稜真選手

 走者2人が本塁に生還すると、一塁上で大きなガッツポーズを見せた。

 2−2で同点の七回裏1死二、三塁の好機で、右田稜真選手(二年)が初球をたたくと、打球は一、二塁間を抜けた。「どんな球種でも初球の外角を狙っていた。転がせば何かが起きる。抜けてくれてうれしい」と喜びを爆発させた。

 右打者で小学校時代、コーチから右方向への打球を意識するよう指導され、「常に逆方向を意識している」。普段から、バッティングマシンで緩い球を十分引き付けて右方向へ打ち返す練習を重ねてきた。初回も先頭打者で右前安打を放ち、先制点の本塁を踏んだ。

 初回に2点を先制したが、その後は相手投手の前に攻撃がつながらず、追加点が奪えないまま、五回に追いつかれた。チームは、試合前から外角狙いを意識していたが、二回以降、内角に手を出して凡退が続き、五回裏終了後にベンチ裏で再度、選手同士で外角狙いを確認した。「相手投手の球威も落ちていた。やることをやれば崩せると思った」。七回に回ってきた好機で、基本に立ち返って結果を出した。

 昨夏は一年で甲子園のベンチ入りしたが、出番はなし。今年は、先発のうち5人を占める二年の中心選手として東東京大会の全試合に出場した。憧れていた甲子園のお立ち台にも立つことができ、自身の得意な形での活躍に「『右打ちの右田』でお願いします」と笑顔でアピールした。 (山田祐一郎)

 

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