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新宿区デモ規制「やむを得ない措置」 吉住区長に聞く

東京

2018年8月14日

デモ出発地の基準見直しについて語る吉住健一区長=新宿区役所で

 新宿区がデモ出発地に使える区立公園を四カ所から一カ所にした問題で、吉住健一区長が本紙のインタビューに応じた。公園使用基準の見直しについて「きっかけはヘイトデモ対策」とし、「区はデモ内容を審査できず、やむを得ない措置だ」と述べた。法曹界から、表現の自由を保障した憲法違反の声も上がるが「使用できる公園もあり、違憲ではない」との見方を示した。

 一問一答は次の通り。

 −今回の基準見直しについて、区の担当者は「周辺の住環境を守るため」と議会で説明していた。

 きっかけはヘイトデモ対策。でも、調べてみると東京二十三区で区立公園を出発地としているデモは二〇一七年度に二百三十五件あり、うち五十件が区内の柏木公園だった。これはちょっと異常。地元の人に「都市部だから我慢しなさい」と言えるだろうか。

 −一七年度に区立公園を使ったデモのうちヘイトデモは17%にすぎない。

 区はデモの内容を審査する権限がなく、これはいい、あれはだめと選択ができない。今回の措置はやむを得なかったと考えている。

 −基準見直しで、柏木公園のほか西戸山公園と花園西公園もデモに使えなくなった。

 西戸山公園は近くに障害者施設がある。ここは今のところ年一回しかないが、ほかの公園が使用できなくなると流れてくるかもしれない。花園西公園は周辺に韓国関連の施設もある。ヘイト対策なのに、ここをデモの出発地として残すのはどうかと考えた。

 −ほかにヘイト対策はないのか。

 ガイドラインを作ったらいいとか、条例を作った方がいいとか言う人はいるが、突破されてダメだったという結果だけ残っている。特定の表現を制限したほうがいいという話と表現の自由を破ってはいけないという二律背反で、現場の自治体は悩んでいる。

 −区の規制は表現の自由を規定した憲法二一条違反との指摘がある。

 弁護士から「自治体の裁量の範囲」という助言を得ている。新宿中央公園という区立最大で新宿駅に近い公園を使えるようにしたことで、表現の自由も保障している。違憲ではないと考えている。 (聞き手・増井のぞみ)

 

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