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薬きょうをアクセサリーに カンボジア内戦の傷痕 青山で展示・販売

東京

2018年8月10日

カンボジアの薬きょうを再生したアクセサリーなどについて説明する沓名美和さん=港区のクレヨンハウスで

 内戦の傷痕が今も残るカンボジアで銃弾の薬きょうから作られたアクセサリーが、港区北青山3の書店「クレヨンハウス」3階で展示・販売されている。現地の高校生に制作を委ねているアーティストの沓名(くつな)美和さん(36)は「負の遺産を未来の財産に変えたい」と話す。31日まで。 (平岩勇司)

 安全を確認した真ちゅう製の薬きょうをバーナーで溶かし、沓名さんのデザインに基づいて仕上げたピアスやブレスレット、ネックレスなど八十点を展示。世界遺産アンコールワットがあるカンボジア・シエムレアプに住む高校生レム・ダバン君(20)と妹のスライネットさん(17)が制作し、収入が学費になっている。

 沓名さんは都内の美術大を卒業し、現在は中国・北京の清華大博士課程で美術を学ぶ。「アートの力で負の歴史を美しいものによみがえらせたい」と考え、旅先のカンボジアで見つけた薬きょうを再生させるグループ「REBIRTH(リバース)」を二〇一四年に設立。日ごろはインターネット販売が主だが、沓名さんの一時帰国に合わせ、理念に賛同したクレヨンハウスで展示・販売が決まった。

 今年に入り「新作」も登場した。カンボジアの女性たちがホテイアオイの茎を編んで作ったかばんで、「1979」とブランドを名付けた。カンボジアで国民を大量虐殺したポル・ポト政権が崩壊し、新政府が誕生した年。希望と再生の意味を込めた。アクセサリーとかばんの値段は三千〜十万円ほど。沓名さんの活動に共感したり、デザインを気に入って買う人が多い。

カンボジアの薬きょうで作られたアクセサリー

 ポル・ポト政権が知識人層を虐殺した後遺症で、カンボジアでは今も教育の向上や人材育成に外国の支援が必要な状態だ。破壊から再生するには、多くの時間を要する。沓名さんは「戦争の記憶を伝える商品を手に取って、平和を考えるきっかけにしてもらえれば」と話している。

 問い合わせはクレヨンハウス=電03(3406)6465=へ。沓名さんは十一、十二、十九日に応対している。

 

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