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「手古舞」肉筆浮世絵を公開 富岡八幡宮 例大祭に合わせ

東京

2018年8月8日

掛け軸に描かれている辰巳芸者の手古舞とみられる肉筆浮世絵(富岡八幡宮提供)

 国分寺市の浜田嘉一(よしかず)さん(81)が、富岡八幡宮(深川八幡、江東区富岡一)の例大祭の行列を彩る「手古舞(てこまい)」を江戸時代に描いたとみられる肉筆浮世絵の掛け軸を八幡宮に寄贈した。浮世絵は今年の例大祭期間中の十一〜十四日に、神輿(みこし)庫で一般公開される。

 手古舞は、祭りの山車や神輿を先導する男装の女性で、手に持つ金棒で邪気を払うとされる。例大祭の深川八幡祭りでは、花柳界があった江戸期から昭和まで、地元・深川の辰巳芸者が務めていたという。

 元中小企業大学校広島校校長の浜田さんは、深川生まれの江戸っ子で、祭りの神輿を担いで育った。今年一月、自宅近くの古美術卸商で、深川の手古舞とみられる絵を見つけて購入。自身で調べ、雅号の「葵岡」などから、葛飾北斎の弟子の魚屋北渓(ととやほっけい)(一七八〇〜一八五〇年)が、文化文政期に描いた作品と推定した。黒の羽織の肩掛けや背景の橋など、辰巳芸者の特徴が描き込まれており、八幡宮に六月に奉納した。

 浜田さんは「昨年末の不祥事(殺傷事件)を払拭(ふっしょく)したい八幡さまの氏子たちの総意が、手古舞を知る私の前に、二百年ぶりによみがえらせたのではないか」と感慨深げに語る。

 寄贈を受けた八幡宮権禰宜(ごんねぎ)の松木伸也(しんや)さん(42)は「大事にして、みなさんに見ていただきたい」と話している。

 今年の例大祭(十一〜十五日)は本祭りの翌年で、本社神輿の二の宮が地域を渡御する年に当たる。祭りの後、手古舞の浮世絵は、八幡宮の資料館で展示する予定という。 (井上幸一)

 

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