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福島の児童ら招き 環境考える 多摩の恵泉女学園大で「エコキャンプ」

東京

2018年8月8日

キャンプ中の思い出を模造紙にまとめる子どもたち=多摩市の恵泉女学園大学で

 東日本大震災で被災した福島から子どもたちを招き、都内の子どもたちと共同生活する「福島キッズリフレッシュ&エコキャンプ」が四〜六日、恵泉女学園大学(多摩市)であった。二泊三日を共に過ごして交流を深めながら、エネルギーや農業、食の問題の大切さを考える機会となった。 (竹谷直子)

 福島への支援を続ける市民団体「福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク」(国立市、代表・狩野強さん)と同大が主催。二〇一三年に始まり、地域を超えたつながりを培っていこうと五回目を迎えた。

 今回参加したのは、福島県いわき市十三人、都内十人の計二十三人の小中学生。このうち、いわき市の一人は市内の泉玉露(いずみたまつゆ)仮設住宅に住んでいるという。

 学生や地域住民、教員などの八十人がボランティアで運営や子どもたちの世話に協力した。

 キャンプ中は「環境の大切さ」を感じ取れるように、大学の畑で学生が育てたキュウリやトマトなどの有機野菜を収穫して料理を作ったり、押し花を作ったり。夜は体育館で一緒に寝て子どもたちは打ち解けていった。最終日は、グループごとに模造紙に言葉や絵などを記して、体験を振り返った。

 いわき市の小学六年、草野奏汰(かなた)さん(12)は「仲良くなった皆とまた会いたい。将来はこのキャンプみたいな交流のボランティアをやりたい」と喜んでいた。

 同大人間社会学部教授の澤登早苗さん(59)は「都心の人も使うエネルギーのため、福島で犠牲になった人がいる。未来をつくる子どもたちに考えてもらい、交流をつなげていきたい」と話した。

◆市民団体が事業支える 13年に参加南相馬の元高校生ら 国立を再訪感謝伝える

再訪した元生徒らと記念撮影をするネットワークの皆さん=国立市で

 「福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク」は二〇一二年発足。これまでも福島から都内に子どもたちや高校生らを招いて、交流を重ねている。

 先月十四日には、一三年の交流事業に参加した南相馬市の県立小高商業高校(現・小高産業技術高校)元生徒ら四人が国立市を再訪し、同ネットワークの会合で、当時の思い出や被災地の「今」を語った。

 元生徒は福島市の只野睦(むつみ)さん(22)と相馬市の伊藤有紀(ゆうき)さん(22)。二人とも今は県内で働いている。震災時の同校校長で詩人の斎藤貢(みつぐ)さん(63)=いわき市=と教師の中島裕さん(38)=郡山市=も今回、同行した。

 只野さんらは一三年に、現在のエコキャンプにもつながる恵泉女学園大学での宿泊や、野菜の栽培、朝食作りなどを体験した。中島さんは「福島から参加した生徒は『楽しかった』と話していた。(事故後の)大変な時にそのような時間をくれたことに感謝している」と話した。

 斎藤さんは、福島の現状を「復興に水を差すからと、ものを言えない空気がある」と指摘した。「西日本豪雨も『例に見ない』という言葉で終わらせないで、なぜそれが起きたのか向き合わなければならない」とも訴えていた。

 

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