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<つなぐ 戦後73年>台東・山谷 日雇い労働者らを夏祭りで追悼

東京

2018年8月7日

地域で亡くなった人たちを追悼した山谷夏祭り=台東区で(実行委の船元康子さん提供)

 簡易宿泊所が密集する労働者の街・山谷の夏祭りが四、五日、地域にある台東区の玉姫公園(清川二)であった。四日には山谷でこれまで亡くなった日雇い労働者や路上生活者(ホームレス)らを追悼する式があり、労働者らが在りし日の仲間をしのんだ。

 仕事が減るお盆の時期に集まり、仲間同士で労をねぎらい合おうと、有志で作る実行委員会が毎夏開催している。故郷に帰れない事情を抱えた人もおり、「お疲れさま」と声を掛け合う場になっているという。

 会場では毎年、公園や路上で倒れたホームレスや、山谷で暮らしていて亡くなった労働者らの遺影などを飾る祭壇を設置してきた。追悼の式では、二〇一〇年ごろから僧侶がお経を読むようになり、昨年からキリスト教の聖職者らも参加している。

 炊き出しなどに取り組む市民団体「ほしのいえ」(荒川区)は、約三十年間に亡くなった八十人の名簿を張り出した。代表の中村訓子(のりこ)シスター(75)は「追悼により、彼らが生きた証しを共有できる。こうして祈ってくれる人がいると分かれば、安心できる人もいるだろう」と祈りをささげていた。

 支援する側とされる側を区別せず、参加者みなで行う共同炊事もあり、温かいご飯などが振る舞われたほか、楽器の演奏ステージや屋台の出店もあった。会場は大勢の人でにぎわい、実行委員の広山直美さんは「年に一度の祭りでほっとしてもらえれば」と話していた。

 玉姫公園では十三〜十五日にも、「東京・山谷日雇労働組合」主催の夏祭りが開かれる。 (中村真暁)

 

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