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<東京人>世界に誇る日本文化 都市に棲む妖怪訪ねる

東京

2018年8月5日

江東区亀戸にある、第三亀戸中学校の正門右手には、置いてけ堀の跡地を示す石碑が設置されている=江東区で

 ここ数年の夏の風物詩と言えば、妖怪イベントや怪談ツアー、お化け屋敷など。すっかり「妖怪」たちは広く社会に浸透し、不気味で恐ろしい存在だった「妖怪」も今では親しみやすい、怖くて面白いモノたちに変わってきています。

 東京人九月号では、「妖怪」の成り立ちと、人や街との関わり、今に残る妖怪伝承を訪ねます。

 そのなかでも、妖怪専門誌「怪」の発起人のひとりで小説家の京極夏彦さんと、怪談・民俗学に造詣が深い作家の加門七海さん、怪談・妖怪文芸のスペシャリスト東雅夫さんによる鼎談(ていだん)は、妖怪好き三人の妖怪体験や、それまでの知識などによって形づくられた妖怪観についてたっぷり語っていただきました。

 妖怪について京極さんは、地方の怪しいモノが「妖怪」として体裁を整えるためには、都市部を通過する必要があり、江戸の娯楽文化なくしては今の形にはならなかった。近・現代の「妖怪」もそうでしょう、と語り、加門さんは、「妖怪」と聞いて最初に思い浮かべるのは、自然の中で感じる気配や音のようなもの。精霊的なもの、と言い換えられるかもしれないと話します。

 東京ならではの「妖怪」といえば河童(かっぱ)ですが、東さんは「置いてけ堀」で有名な「本所七不思議」を筆頭に、麻布や深川など都内の七不思議の伝承から、土地の歴史を掘り起こします。

 情報があふれ、街に不思議なものが現れる余白の少なくなった今だからこそ、江戸東京に棲(す)まう妖怪たちの気配をお楽しみください。(「東京人」編集部・牧紀子)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、9月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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