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「山谷ブルースライブ」 ジャズフルート奏者・北沢さん、松が谷で28日

東京

2018年7月25日

山谷ブルースライブを開く北沢直子さん=荒川区内の山谷近くの交差点で

 簡易宿泊所が集まる山谷地区(台東、荒川区)でボランティアを続けるジャズフルート奏者の北沢直子さん=江戸川区=が二十八日、「山谷ブルースライブ」を台東区のライブハウス「なってるハウス」(松が谷四)で開く。山谷で感じてきた街の活気や力強さ、物悲しさを詰め込んだオリジナル曲を披露する。 (中村真暁)

 北沢さんは二十年ほど前から、安価で提供する山谷の弁当屋「まりや食堂」で、販売などのボランティアをしている。日雇い労働者らが集う山谷には、米国の奴隷制度時代の労働歌が母体とされ、黒人の苦しみや切なさを歌ったブルースが似合うと、十五年ほど前から作曲を開始。労働者らとの会話や歴史資料を基に作品を生みだし、思いを奏でてきた。

 一緒にボランティアをしていた元ホームレスの男性を思い、作った曲も。男性は東北の貧しい農家で生まれ、十八歳くらいで上京した後、山谷にたどり着いた。病で倒れた後は、入院先で仲間に見守られながら最期の日々を送ったという。北沢さんは「話が面白く、笑顔がすてきで、みんなに愛された人。でも重い人生を生きてもいた。その死をしのび、少しでも寄り添いたかった」と話す。

昨年の山谷ブルースライブ(北沢直子さん提供)

 労働者らの活気が失われつつある山谷だが、外国人観光客が多く訪れるなど変容を続ける。「歴史に躍動感があり重層的で、多様性もあり、人間味を感じさせる面白い町。(日雇い労働者やホームレスの)おじさんたちを排除するのではなく、思いを巡らせられれば」と来場を呼び掛ける。

 ライブは三年ほど前から年に一回程度開催。ギターとクラリネットを加えて三人で演奏する。午後三時半から。鑑賞料二千円。戦後すぐの山谷や、東京五輪のころの活気があった時代を表現するオリジナル曲も披露する。予約は、なってるハウス=電03(3847)2113=へ。

 

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