XMenu

吃音高校生の青春描く映画 14日からの順次公開前にシンポ

東京

2018年7月12日

シンポジウムで語る(左から)山田さん、押見さん、伊藤さん、富里さん=目黒区の東大駒場リサーチキャンパスで

 人前では言葉がつっかえてしまい滑らかに話せない「吃音(きつおん)」の女子高校生が主人公の映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」が14日から、新宿区の新宿武蔵野館などで順次公開される。映画の先行上映と、吃音者の現状を考えるシンポジウムが3日、目黒区の東京大駒場リサーチキャンパスであり、原作者の押見修造さん(37)ら、吃音当事者でもある4人が登壇した。 (神谷円香)

 映画は押見さんの同名漫画が原作。皆の前での自己紹介で名前が言えず、立ちすくんでしまう描写などは「常に恥ずかしさ、理由もない罪悪感があった」と語る押見さん自身の体験が元になっている。吃音のはっきりした原因は分かっていないが、原作のシーンにもある「リラックスすれば大丈夫」などと教諭らに言われるのは嫌で「触れないでほしかった」という。

 主人公は、音楽好きだが音痴な同級生と親しくなり、互いにコンプレックスを抱える二人がバンドを組む。東大大学院で吃音の研究をする、当事者のためのサークル「東京大学スタタリング」代表の山田舜也さん(26)は「恥ずかしいけれど大丈夫なんだ、と思える応答があれば、人は相手と深いレベルでつながる。恥ずかしいという感情は大事な感情」と話した。

 身体論を専門にする、伊藤亜紗・東京工業大リベラルアーツ研究教育院准教授(39)は「コントロールできない体とどう付き合うのか。いかに自分の体と向き合うのが難しいかを実感する」と映画の普遍性を伝えた。

 吃音外来を担当する、国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科の富里周太医師(32)は「吃音は親の教育のせいじゃない。責任を感じてしまう親には、そうじゃないよと伝える。支援はまだ足りていない」と訴えた。

 詳しい上映スケジュールは同映画公式ホームページで。

 

この記事を印刷する