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療養所を照らしたメロディー 東村山・ハンセン病資料館で企画展

東京

2018年7月8日

楽団で使われていた楽器が並ぶ会場=東村山市で

 国の強制隔離政策と闘いながら、音楽に情熱を注いだ全国のハンセン病療養所の入所者らの足跡をたどる企画展「この場所を照らすメロディ」が、東村山市青葉町四の国立ハンセン病資料館で開かれている。各地で演奏をした長島愛生園(岡山県瀬戸内市)のハーモニカバンド「青い鳥楽団」をはじめ、戦後の音楽活動に焦点をあてた。 (服部展和)

 青い鳥楽団は一九五三年、長島愛生園の目の不自由な入所者らが結成。バンドマスターの近藤宏一さん(一九二六〜二〇〇九年)は後遺症で指先の感覚を失ったため、点字の楽譜を舌先で読んだという。活動の場は療養所内にとどまらず、全国に広げていった。

 近藤さんは〇七年、ハンセン病問題に取り組む「ザ・レプラシー・ミッション」(本部・ロンドン)のウェルズリー・ベイリー賞を受賞。授賞式では仲間への思いとともに「ハーモニカは私の人生を素晴らしいものにしてくれました」と語った。

 資料館によると、療養所での音楽活動は戦後盛んになり、各療養所で楽団が結成された。青い鳥楽団のように各地で演奏した楽団は多く、ハンセン病問題の啓発活動にもつながったという。

 企画展では「楽団」「カラオケ」「民謡」のジャンルごとに演奏会の写真や解説パネル、楽器、衣装など資料約百点を展示。音楽や映像も流している。学芸員の大高俊一郎さん(42)は「困難な状況の中で音楽に懸命に取り組み、輝いた入所者とその思いを知ってほしい」と話している。

 八日午後一時半から、企画展に合わせた「古典・民謡コンサート」が資料館映像ホールで開かれる。星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)の星塚三線(さんしん)同好会や沖縄愛楽園(沖縄県名護市)の入所者らが出演する。入場無料で定員先着百三十人。

 企画展は三十一日まで。入館無料。月曜休館(祝日は開館し、翌日休館)。問い合わせは国立ハンセン病資料館=電042(396)2909=へ。

 

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