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人のぬくもり 喜劇で 浅草人力車夫らが演劇ユニット 

東京

2018年7月6日

スタジオ365で稽古をする出演者=台東区で

 浅草の人力車夫らによる演劇ユニット「東京アフロ」が、今春から奥浅草の小さな劇場を拠点に、人情味あふれるコメディーの公演を始めた。「日本初」とうたう人力車送迎付きのチケットも販売。芝居と人力車。異色の組み合わせだが、人と人をつなぐ共通性があるという。(井上幸一)

 東京アフロは、浅草で人力車会社「壱」を経営する車夫の綱田琢(たく)さん(33)=足立区=がプロデューサーとなり、若手俳優の砂月(さつき)夏輝さん(26)、演出家の草間栞(しおり)さん(58)と今年一月に結成。綱田さんが昨夏、草間さんの舞台に出演したことで縁が生まれた。スナックを改装したという約四十人収容の地下劇場「スタジオ365」(台東区今戸二)に若手俳優が結集し、三月に旗揚げ公演をした。

 綱田さんは、「芝居も人力車も人が主体の『エンターテインメント』。人情の町の浅草で、便利さよりも、人のぬくもり、つながりの大切さを訴えたい」と熱く語る。「面白く、切ないセンチメンタルコメディーを」と、脚本を手掛け、演出を担う草間さん。「若い俳優による新鮮で、素直な舞台を見てほしい」と呼びかける。

 現在、金〜日曜に上演している公演第三弾「オヒガン ホリデー」は、下町の下宿屋での人間模様を描いた作品で、胸がキュンとする舞台に仕上がっている。

 劇場までは、東京メトロの浅草駅から徒歩十五分ほど。アクセスは良くないが、「演劇の力で克服したい」と綱田さん。さらに、状況を逆手に取ったのが駅からの人力車での送迎プラン(ペアでチケット付き一万円、各回限定四組八人)だ。

 往路は浅草駅から壱の車夫が劇場へ送り、帰路は出演した俳優も人力車を引く。観客は舞台への期待、余韻を非日常の座席で感じることができる。訓練の末、人力車を操る座長の砂月さんは「芝居の感想を、直接聞くことができるのがうれしい」と話す。

 「オヒガン ホリデー」の公演は残り三日間で、六日(午後七時半)、七日(午後二時、七時)、八日(午後二時、六時半)の五回。自由席二千八百円。人力車送迎付きは金、日曜夜の回のみ。問い合わせ、申し込みはホームページ(「東京アフロ」で検索)へ。

 次回の公演「バクソー セレナーデ」は、八月中の金〜日曜で、計十二日。

 

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