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ドア切断、ガラス砕き人命救助 台東で消防署が「リアル訓練」

東京

2018年5月31日

エンジンカッターで鉄の扉を切断する消防隊員=台東区で

 上野消防署(台東区東上野五)は、近く解体されるビルを利用し、人命救助のため建物を破壊して進入する「リアル訓練」を二十九〜三十一日、区内で展開している。実践経験を積める貴重な機会といい、区内にある第六消防方面本部、浅草、日本堤の両消防署の隊員らも参加。報道公開した三十日は約五十人の消防隊員が訓練に臨んだ。

 「現場」は、鉄筋コンクリート、地上五階、地下一階建ての旧日本農業新聞ビル(同区秋葉原)。社屋新築のため、解体が決まっている。

 訓練は、地震で建物がゆがむなどして隊員が鉄製の扉を開けられない状況を想定。隊員がエンジンカッターでドアを切断すると、「ガガガガ」との爆音とともに火花が飛び散った。

 このほか、硬く厚い網入りガラスを砕いたり、削岩機でコンクリート壁や床を壊して進入口を確保したりする訓練も。鉄製の器具でガラスを割った上野消防署谷中出張所の本杉洋希さん(25)は、「思ったより力がいる作業だった。本番は視界が悪く、呼吸のための装備も着けているので困難が伴うが、一度体験したので落ち着いて行動できると思う」と感想を語った。

 今回の訓練について、上野消防署の大谷正明予防課長は「ベテラン隊員が退職し、組織が若返る移行期にある。若手が経験を積むことができるので、ビルを使わせていただけるのは大変ありがたい」と話していた。 (井上幸一)

 

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