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足立区のイメージ「治安が悪い」? 非常勤職員でライター・舟橋さんが実情検証本

東京

2018年5月24日

「足立区のコト。」を手にする舟橋さん=足立区で

 「治安が悪い」などイメージで語られがちな足立区の実情を、さまざまな角度から検証した「足立区のコト。」(彩流社、1944円)が今月、出版された。著者は、25年前から区内に住み、現在は区の非常勤職員でもあるフリーライター舟橋左斗子さん。住民だから分かる街の魅力から区役所改革の秘話まで、足立区愛にあふれる一冊だ。 (谷岡聖史)

 全四章で、一章は「足立は本当にヤバイのか」。世間に流布する負のイメージを冷静に検証している。

 例えば「治安が悪い」。確かに足立区は昨年、警察に届けのあった犯罪件数が都内の自治体で最多だった。舟橋さんは、人口比、面積比ではそれほど多くないことや、件数も減少傾向だと指摘。「貧しい」「学力が低い」などのイメージも、各種統計や歴史を交えて実態を解説しており、「うわさはうそだと分かる」と力説する。

 大阪市東成区の下町の出身。大阪大を卒業、同市内の広告代理店で働いていたが、一九九三年に結婚を機に初めて東京に。浅草、深川などの下町の物件を探すうち、「古い路地も便利な商業施設もある。住民も外の人を受け入れる人懐っこさがある」と北千住にほれこんだ。人気エリアとして注目される前の九六年に「町雑誌千住」を創刊(二〇一五年に終刊)、街の取材を続けた。

 「千住の魅力は昔から変わらないが、メディアで連鎖的に取り上げられ人気が出た。その他の足立区のエリアも、まだ良さが知られていないだけ」。今回の著書でも、お勧めの飲食店や風情ある銭湯などを多数紹介している。

 広告や編集の経験を生かし、一〇〜一五年には区の任期付き係長として勤務。任期が切れた後も、一職員として非常勤で働き続けている。レシピまで出版された学校給食をおいしくする取り組みや、犯罪を減らす「ビューティフル・ウインドウズ運動」など、話題を呼んだ区の政策の裏話も著書に記した。

 「足立区民にも、区に興味を持ち始めたばかりの人にも読んでほしい」と舟橋さん。区内で二人の子を育ててきた経験から「区立公園の面積が二十三区で最も広く、荒川の土手でも走り回れる。特に新居を探している子育て中の人は、ぜひ足立区に」と訴えている。

◆27日に対談も

 舟橋さんと編集者影山裕樹さんの対談イベント「ローカルメディアの視点から語るあだちの魅力」が二十七日、足立区千住仲町の「仲町の家」で開かれる。午後二〜四時。五百円。ネット(イベント名で検索)での申し込みが必要。問い合わせはセンジュ出版=電03(6337)3926=へ。

 

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