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ありがとう内田先生  追悼コーナー ファンが感謝の言葉

東京

2018年5月13日

生前の写真が飾られた追悼コーナーで、内田さんの思い出を語る実行委員会事務局の中村さん。メッセージを書くカード、箱も設置されている=北区で

 北区の西ケ原地区周辺で、謎解きをしながら商店街などを散策するイベント「ミステリーウォーク2018」が二十七日まで開催されている。三月に八十三歳で死去した区出身のミステリー作家内田康夫さんゆかりの恒例イベントで、十九回目。今年は、内田さんを追悼するコーナーが設けられ、参加したファンらが感謝のメッセージを寄せている。 (井上幸一)

 内田さんは一九九六年、区の情報を発信する北区アンバサダーに就任。「北区内田康夫ミステリー文学賞」では選考委員代表を務めた。作品の主人公・浅見光彦は西ケ原在住との設定で、かいわいは作品にも登場。こうした縁で、地元商店街などによる実行委員会がウォークを主催している。

 今年のテーマは「浪漫探訪〜家族の記憶」。洋館が印象的な旧古河庭園(西ケ原一)の完成百年目にちなんで建物に焦点を当て、英国人のスミスが曽祖父の旧居を浅見と一緒に探す物語が散策のベースとなる。

 参加者は、商店街や駅などで無料配布している「ミステリー手帖(てちょう)」を手に、街に隠されたヒントを探し、穴埋めパズルを埋める。初日の十一日に訪れた有富康之さん(39)=板橋区=は、「毎年参加している。自分では行かないような場所がルートに含まれるので発見がある」と魅力を語った。

 追悼コーナーは霜降(しもふり)銀座商店街の無料休憩所にあり、街で撮影された本人の写真や第一回のウォークに寄せた文章などを掲示。内田さんへのメッセージカードには、「新刊を読めないのが残念です。楽しませていただき、ありがとうございました」「ウォークも含め、先生により、地元のことを知るきっかけになりました」といった言葉が寄せられている。

 内田さんの死去でイベントの存続を心配する声もあるが、実行委員会事務局の中村歌子さん(60)は「ウォークの際、先生は街を訪れてファンと気さくに交流されていた。気にかけていただいたイベントでもあり、続けていきたい」と話す。

 パズルの解答用紙は現地で投函(とうかん)でき、郵送も可能。正解者の中から抽選で内田さんの著書などが贈られる。問い合わせは、実行委員会事務局=電03(3917)0321=へ。

 

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