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福島の中学生に「応援歌」を テノール歌手・樋口さん あす古里でオペラ披露

東京

2018年5月13日

被災地の中学校でコンサートを開く樋口さん=千代田区で

◆「夢を追い続けて」と伝えたい

 福島県二本松市出身のテノール歌手樋口達哉さん(48)=渋谷区=が14日、同県南相馬市の原町第一中学校でソロコンサートを開き、東日本大震災で被災した生徒たちを元気づける。住んでいる東京では風化が進んでも「県内で震災の影響がなくなることはない」と話し、二本松市から今春委嘱された観光大使としても「古里、福島の若い世代を応援し続けたい」と意気込む。 (松村裕子)

 体育館で全校生徒約三百五十人と父母に、「椿(つばき)姫」や冬季五輪フィギュアスケートでも知られる「トゥーランドット」など有名なオペラの五曲をイタリア語で披露。県内の尾瀬が登場する「夏の思い出」も歌う。卒業式の定番「旅立ちの日に」は生徒たちにも合唱してもらう。本物のオペラを体感してもらうだけでなく、音楽を志して上京した自身の経験を語り「生徒たちに『夢を追い続けて』とメッセージを送りたい」と言う。

 これまでもグループで被災地支援のコンサートに出演してきたが、ソロでは初めて。「福島のために何かしたい」と考えていたところ、南相馬市でボランティア活動をする知人から同校を紹介された。交通費まで含めて自費だが、同校卒業のオルガン奏者・青田絹江さんがピアノ伴奏を買って出てくれた。

 津波に襲われた南相馬市では避難者が戻らず、震災前には五百人を超えた同校の生徒は激減。内陸の二本松市でも、いまだ浪江町役場の事務所が残り、震災の傷痕は深い。一方、震災直後は相次いだ慰問は減っている。鈴木太教頭は「地元ではめったに聞けない一流の歌なので、生徒もびっくりだろう。貴重な機会になる」と久々の慰問を歓迎する。

 

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