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高村光太郎の弟、鋳金家・高村豊周 書斎、庭を写真で紹介

東京

2018年4月20日

高村豊周が愛した庭などを撮影した写真展=文京区の旧安田楠雄邸庭園で

 詩人・高村光太郎の弟で工芸家の高村豊周(とよちか)(一九七二年没)が暮らした家の写真展「となりの高村さん展」が、隣接する旧安田楠雄邸庭園(文京区千駄木五)で開催されている。高村邸は来月にも解体されることが決まっており、豊周の孫で写真家の達(とおる)さん(50)が、何とか形に残したいと撮影した。達さんは「当時のまま残してあった書斎などを見てほしい」と話している。 (原尚子)

 豊周は人間国宝の鋳金(ちゅうきん)(金物工芸)家で、「藤村詩碑」など数々の作品を残した。伝統的な手法を使いながらも新しい作風で知られ、工芸の近代化運動にも貢献。与謝野鉄幹・晶子夫妻に短歌を学び「歌ぶくろ」などの歌集も出している。

 高村邸は一九五八年築の数寄屋建築で、国の登録有形文化財だった。光太郎・豊周兄弟の父で彫刻家の光雲から家督を継いだ豊周が建てたが、息子で写真家の規(ただし)氏が二〇一四年に亡くなった後、老朽化もあって解体が決まったという。

 会場には、達さんが昨秋から最近まで何度も撮り直して厳選した約三十点を展示。雪景色や桜、咲き始めたばかりの藤棚といった四季折々の庭や書棚など、豊周が愛したたたずまいが、家族ならではの温かいまなざしで表現されている。達さんは「四歳のときに豊周が亡くなり、あまり記憶はないが、最後に書斎をバックに写真を撮った思い出の場所」と話す。

 都指定名勝の旧安田邸の公開日に合わせて二十一、二十五、二十八日に開催。旧安田邸の入館料(一般五百円、中高生二百円、小学生以下無料)が必要。畳の保護のため靴下を着用する。二十一、二十五日には高村邸の見学ツアーもあり、達さんも参加する。問い合わせは、旧安田邸=電03(3822)2699=へ。

 

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