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亡きアイドルの思い 絵画に 岡田有希子さん偲び作品展

東京

2018年4月19日

弓指さんの大作「スイスの山々」。スイスにもう一度行ってみたい、とつづっていた岡田さんの思いを作品化した=品川区で

 32年前の4月、自ら命を絶ったアイドル岡田有希子さんを偲(しの)ぶ画家らの絵画展「四月の人魚」が品川区東五反田の「ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ」で開かれている。呼び掛け人の画家、弓指(ゆみさし)寛治さん(32)は死を深く見つめた22作品を出品している。 (井上圭子)

 三年前、母を自殺で失った弓指さん。うつ病や自殺に関する本を読みあさる中で、十代の後追い自殺など社会現象にもなった岡田さんの死を知った。岡田さんも絵を描くのが大好きだったこと、自分の誕生が彼女が命を絶つ直前だったことなど他人とは思えぬ縁を感じ、「画家である僕が描かねば」と思い立ったという。

 スイスの山々に向かってはだしで駆けだす少女、華やかなステージでスポットライトを浴びて歌う女性、満開の桜の下で母親に支えられ木馬に乗る赤ちゃん…。いずれも岡田さんの死後、出版された多数の追悼本などのスケッチや文章を参考に描いた。主人公の女性はいずれも岡田さんだ。

 大切な人を失ったつらさから悩み、考え続けた死生観。弓指さんはいま、絶望の渦中にいる人にメッセージを送る。「亡くなった人も残された人も地獄の苦しみを味わったと思う。悲しみを乗り越える必要はないし、忘れる必要もない。どっぷり浸るのも慰霊のかたち」

 絵画展は二十九日まで。弓指さんと仲間の「さいあくななちゃん」ら画家十人が出品、計七十二点が並んでいる。入場無料。午後三〜八時。月曜休み。問い合わせは、同アトリエ=電03(5422)7085=へ。

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 YouTube「東京新聞チャンネル」で弓指さんのインタビュー動画を公開しています。

 

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