XMenu

鴎外が結ぶ友好の証し ベルリン市ミッテ区、文京区に「信号機」

東京

2018年4月14日

ゴーテ副区長(右)から成沢区長に手渡されたアンペルマン信号機=文京区役所で

 文豪・森鴎外(一八六二〜一九二二年)が結ぶ縁で、ドイツのベルリン市ミッテ区のエフライム・ゴーテ副区長らが十三日、文京区役所を訪れた。ドイツで平和の象徴とされる歩行者用の「アンペルマン信号機」三台を区に贈り、両区の友好が深まった。

 ミッテ区は鴎外が一八八四年にドイツ留学した際に滞在したベルリン市中央の街で冷戦時代、現在の区域は東西に分割されていた。鴎外は帰国後、軍医のかたわら、小説「舞姫」や「高瀬舟」などを執筆した。文京区千駄木一丁目にあった「観潮楼(かんちょうろう)」で半生を過ごした。両区にはそれぞれ鴎外の記念館がある。

 ゴーテ副区長は東西ドイツ統合後、東側の物品などが消滅していく中、例外的に使われてきた信号の歴史を紹介。「両ドイツの平和や融合の象徴。鴎外という精神的な遺産でつながり、うれしい」と語り、成沢広修(ひろのぶ)区長に信号を渡した。

 成沢区長は「信号が持つ歴史を子どもたちに伝えながら、平和や人権を考える教材にしたい」と、活用法を披露。鴎外没後百年の二〇二二年に向けた企画に取り組む中で、ベルリンの記念館とも共同作業を始めると説明した。信号は国内の公道では使えないという。

 観潮楼跡の森鴎外記念館では、鴎外が幼少期を過ごし記念館がある島根県津和野町も交え、「日独三自治体交流コンサート」を十四日午後四時半から催す。ベルリン市で活躍する音楽家も招き、弦楽三重奏を演奏する。入場無料。定員三十人。定員超の際は抽選となる。 (中村真暁)

 

この記事を印刷する