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野球を国内に紹介 子規の思い 落語で 浅草で13日

東京

2018年4月5日

上野公園にある正岡子規記念球場の句碑の前で、口演への意気込みを語る入船亭遊京さん=台東区で

 俳人・正岡子規(一八六七〜一九〇二年)が野球を日本に紹介した功績に焦点を当てた新作落語と新内の公演「正岡子規と野球」が十三日、浅草東洋館(台東区浅草一)で開かれる。落語「のぼさんと『野(の)ボール』」を口演するのは、子規と同郷の松山市出身で、学校の後輩に当たる入船亭遊京さん(30)。「子規の野球への情熱を楽しく伝えたい」と、初演への意欲を語る。 (井上幸一)

 子規は一八八四(明治十七)年、東大予備門時代にベースボール(野球)を知って熱中、母校の松山中学(当時)の生徒らにも教えた。雅号には、幼名の升(のぼる)にちなんだ「野球(のぼーる)」を使用。打者、走者、飛球など、子規による訳語は現在も使われている。二〇〇二年に野球殿堂入り。子規が野球をした上野公園(台東区)には正岡子規記念球場が〇六年にでき、「春風や まりを投げたき 草の原」の句碑も設置された。

 公演は、下町の芸能文化を学ぶ「下町芸能大学」の十四回目。遊京さんは、松山中学を前身とする松山東高校から京都大を経て、落語家になった。出演は主催者の松倉久幸東洋興業会長(82)からの要請で、落語の詳しい内容は一任された。

 「子規が野球を教えようとするけれど、なかなかうまく伝わらず…」と、笑いを生む仕掛けの一端を明かす遊京さん。従軍記者として中国に渡った子規と、昨年中国を約八十日間旅した自身を重ねるなど、さまざまなエピソードも漫談風にちりばめ、「すさまじいエネルギーを感じる」という先輩の姿に迫っていく。

 新内は、岡本宮之助さん、新内勝志寿さん、岡本文之助さんによる「野球(のぼーる)」(野上周さん作)。子規が新聞に執筆した随筆「松蘿玉液(しょうらぎょくえき)」の野球に関する記述や、子規が野球を詠んだ句などを、三味線の音に乗せて紹介する。昨年五月の子規庵(台東区根岸)での公演の再演となる。

 午後六時開演。入場料三千五百円、前売り三千円。全席自由。松倉会長の浅草芸人の回想、子規と高浜虚子の別れを描いた新内「道灌山(どうかんやま)」もある。問い合わせは、東洋興業=電03(3841)9606=へ。

 

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