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原子力災害「自分で身守る」 多摩地域の市民団体 

東京

2018年4月2日

医師から問診や安定ヨウ素剤の説明を受ける家族=武蔵野市で

 原子力災害時に甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を自ら持とうと、多摩地域の市民団体「安定ヨウ素剤自主配布プロジェクト」による配布会が一日、武蔵野市の武蔵野プレイスで開かれた。都内での自主配布は初めて。家族連れら約三百人が医師の問診を受けた後、安定ヨウ素剤を受け取った。(服部展和)

 自主配布は、フォトジャーナリスト広河隆一さん(74)が代表を務める「DAYS救援アクション」(世田谷区)が提唱し、賛同する市民が医師らの協力を得て実施。昨年九月に千葉県松戸市で、今年二月には神奈川県鎌倉市で行われ、取り組みは広がりつつある。

 多摩地域では、東京電力福島第一原発事故後に福島県などで健康相談会を開いている八王子中央診療所の医師山田真さん(76)が呼び掛け、有志の市民が「プロジェクト」を結成して配布会の準備を進めてきた。

 一日の配布会は、事前に問診票を添えて申し込んだ家族らが参加し、医師六人が立ち会った。参加者たちは、山田さんや広河さんから安定ヨウ素剤の効果や準備の必要性についての説明を聞いた後、医師の問診を受けて五日分の錠剤を受け取った。

 国の指針は、安定ヨウ素剤を原発から五キロ圏内の住民に事前配布し、五〜三十キロ圏は自治体が備蓄するよう定めている。山田さんは「本来は国や自治体が配布すべきで、皆さんで声を上げてほしい」と呼び掛けた。家族四人で参加した多摩市の看護師木村奈津子さん(37)は「福島第一原発事故は終わっておらず、不安は消えていない。原発近くでなければ行政は配ってくれないので、自分たちで身を守るしかない」と話した。

 

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