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<ニュース読者発>髪で悩む誰かの力に 杉並の主婦・香積恵子さん

東京

2018年4月1日

子どものウイッグ用にと、長年伸ばした髪を寄付した香積恵子さん=杉並区で

 病気や事故などで髪を失った子どもの医療用ウイッグのため、自分の髪を切って寄付する「ヘアドネーション」。近年広がりつつあるこの活動に、本紙読者の主婦香積(かづみ)恵子さん(60)=杉並区=も賛同し、2月、長年伸ばした髪を提供した。「お金がなくても、子どもでも、人の役に立てると伝えたい」と話す。 (奥野斐)

 ヘアドネーションは一九九〇年代に米国で広がり、国内では二〇〇九年に大阪の美容師らがNPO法人「Japan Hair Donation&Charity(ジャーダック)」を設立。これまでに二百五十人以上にウイッグを提供、賛同する美容室は全国に二千九百店余ある。

 同法人に寄付できる髪は長さ三十一センチ以上で、極度の傷みがないことが条件。くせ毛などの髪質、年齢、性別、国籍は問わないが、乾いた状態で送る。賛同美容室を利用すると、規定の方法で髪を切り送ってくれるが、個人で直接送ることもできる。

 一つのウイッグには約三十人分の髪が必要で、長さ別に仕分けられて専用工場で加工後、登録希望者に合わせて制作。活動費の大半は寄付金で賄われ、ウイッグは無償提供される仕組みだ。

髪を切る前の香積恵子さん(本人提供)

 香積さんが寄付を決めたのは今年一月、知人が乳がんになったのがきっかけ。「直接彼女の役に立つわけではないけれど、同じように髪で悩む誰かの力になれたら」。これまで髪を胸上より短くしたことがなかった。利用する美容室が活動に賛同していることを知っていたため、二月上旬、六十センチを一気に切った。中学校での勤務経験もあり、「子どもたちが髪や、自分のものを大切にしようと思ってくれたらいいな」。

 NPO法人代表理事の渡辺貴一さん(47)によると、ウイッグを待つ子どもの九割は女子で、大半がロングヘア希望だ。提供した女子児童は、ウイッグを使ったら外で人の視線を感じなくなったと喜んだという。

 渡辺さんは「髪の寄付が特別視されないぐらいに広まってほしい。ウイッグがなぜ必要なのかにも注目して」と語った。

 ヘアドネーションについての詳細や各地の賛同美容室はNPO法人のホームページを参照。「ジャーダック」で検索を。

 

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