XMenu

今を全力 大切さ訴え 難病と闘う小沢さんが初の著書

東京

2018年3月26日

著書「10年前の君へ」を手に持つ小沢さん=台東区で

 難病と闘いながら歌や講演の活動で全国を回る社会活動家、小沢綾子さん(35)=墨田区=の初の著書となる詩集絵本「10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる」が発売された。区内の出版社「百年書房」が発行する「すーべにあ文庫」(540円)の第3弾で、今を全力で生きる大切さを訴えている。 (井上幸一)

 「今日 君は絶望していると思う」。収録された小沢さんの詩は、こんな一節で始まる。筋肉が次第になくなり、身体の自由が奪われる筋ジストロフィーと診断された二十歳の自分に宛てた「伝言」だ。

 当時、「十年後に車いす生活になる」と医師に告げられ絶望した。宣告よりは遅かったが、実際、三カ月ほど前から車いすに乗るようになったという。「安心して 10年後の君は/君が思っているほどに/悪いものじゃないから」。紡ぎ出された言葉は前向きで、生きる喜びにあふれている。

 「ずっと下を向いて生きていくつもりか」と、激しく怒ってくれたリハビリの医師、同じ病気で寝たきりでもメッセージを発信し続けた九州の男性(故人)−。人との出会いが、「斜に構えていた自分の気持ちを変えてくれた」と、小沢さんは言う。

 「今日できることが、できなくなる進行性の病気だからこそ、『人生は今、この時だ』と思うことができる」と小沢さん。会社員で、主婦でもある。「昔の自分のように、未来が描けない境遇にいる人に、私の言葉が少しでも届けば」と願う。

 すーべにあ文庫は、「本当に大切なこと」を十分で読めてしまう小さな冊子で伝えようと昨夏に創刊。収益は、テーマに関連する団体・施設に寄付される。「10年前の君へ」は全国の書店で注文でき、一冊につき五十円が一般社団法人「日本筋ジストロフィー協会」に贈られる。

 

この記事を印刷する