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「綴方教室」のまちPR 故豊田正子さん「顕彰の標」

東京

2018年3月24日

「顕彰の標」を囲む小泉町会長(左から5番目)、上野さん(同6番目)ら、設立した四つ木の人たち=葛飾区で

 葛飾区で過ごした少女時代の作文をまとめた「綴方(つづりかた)教室」で知られる作家、豊田正子さん(1922〜2010年)について伝承する「顕彰の標(しるべ)」が23日、区内の四つ木公園(四つ木1)に設けられた。四つ木一丁目中町会と、町会の有志、郷土史研究グループ「豊田正子を愛する会」が設立。4月1日に除幕式が行われる。 (井上幸一)

 現在の墨田区に生まれた豊田さんは、葛飾区の木根川や四つ木で小学生時代を送る。本田(ほんでん)小四、五年生のとき、鈴木三重吉主宰の児童雑誌「赤い鳥」に作文がたびたび入選。一九三七年に作品を集めて出版された「綴方教室」はベストセラーとなり、翌年、高峰秀子主演で映画化され大ヒットする。生涯を通じて小説や随筆を発表してきた。

 「豊田正子『綴方教室』のふるさと」と題された標の文章は、「綴方は、貧しくとも明るく健気(けなげ)に生きた下町の少女像を浮き立たせ、今も広く愛読されている」と記載。文字盤以外の木製の脚などは、町会役員らが手作りした。

 町会の小泉一夫会長(81)は「豊田さんは存命ならば九十五歳で、同世代は少なく、偉業も記憶から遠ざかりつつある。町内を挙げて記録に残さなければと思った」と設立の経緯を説明。「綴方教室の人情味あふれる文章は下町そのもの。今の子どもたちにぜひ、読んでほしい」と訴えた。

 豊田さん死去の翌年から「記念フォーラム」を毎年開いてきた愛する会の上野重光代表(74)は「地元の力で建てたところに意義がある。豊田さんを地元の文化遺産として、外に向かって発信していきたい」と語った。

 除幕式は、公園で町会が催す「お花見会」の冒頭、午前十一時半から実施。記念の「まあちゃんパン」を子どもたちにプレゼントする(先着七十人)。おしるこの無料配布や、フラメンコ、ハープ演奏のステージなどもある。

 

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