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23区の片隅にひっそり「野良桜」 来月、品川で 写真家・小野寺さん

東京

2018年3月21日

写真家の小野寺さんが都内で夜間に撮影した野良桜

 東京二十三区の片隅でけなげに一本だけ咲く桜を「野良桜(のらざくら)」と命名し、シャッターを切り続ける品川区の写真家、小野寺宏友さん(57)が四月、撮りためた作品の初の写真展を同区戸越二のギャラリー兼写真店「フォトカノン戸越銀座店」で開く。 (神野光伸)

 小野寺さんが「野良桜」の撮影を始めたのは、二〇一三年。仕事帰りに台東区の路上にそびえる一本の桜に気付いた。「野良桜はあす誰かの役に立つのを待ちながら、いつでも働けるって語り掛けている。まだまだがんばれるぞって」。そんな姿に自分自身を投影する。

 それ以来、二十三区内の路上や川べり、住宅街にポツンと咲く野良桜に焦点を当て、人けのなくなった深夜にシャッターを切り続けている。それらの桜は、生息環境や場所などから、さらに細かく分類し、「イエザクラ系」「ケッカイザクラ系」というように「学名」を付けてきた。

 写真展では約三十の作品を紹介。廃虚の前にたたずむ「アキヤノコサレケナゲザクラ(空き家残され健気(けなげ)桜)」(中野区)、小さな神社のそばで見つけた「カクレホソミチケッカイオオザクラ(隠れ細道結界大桜)」(品川区)、路上の植え込みの傍らに植わる「ツキジミチバタカリオキ(築地道端仮置き)」(中央区)などを展示する。

 小野寺さんは「そこに凜(りん)として存在している野良桜、可能性を内に秘めている野良桜…。それは、その姿に共感した人にとっての特別な桜かもしれないから」と言う。来場者が気に入った写真は、有料でプリントできるようにする。

 会期は四月十三〜二十五日。入場無料。開館時間は午前十〜午後八時。木曜定休。

 問い合わせは、小野寺さんのメールアドレス=deluxegogo5@gmail.com=へ。

 

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