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「認知症になってもできることある」 豊かな観察力で描く水彩画 新宿で23日まで展示

東京

2018年3月18日

若年性認知症と診断された後に描いた野鳥の水彩画(手前)などを展示する神矢努さん=新宿区のマザアス新宿で

 若年性アルツハイマー型認知症の患者で、新宿区の神矢努さん(65)が描いた絵画の展示会が同区新宿七の高齢者福祉施設「マザアス新宿」で二十三日まで開かれている。観察した野鳥や親戚の似顔絵など、水彩画を中心に十二点が並ぶ。神矢さんは「認知症になってもできることがあると知ってほしい」と話す。 (増井のぞみ)

 神矢さんは郵便局に勤務し、退職後は都営戸山ハイツ(同区)で自分が住んでいる棟の自治会長や事務局長を務めるなどした。六十三歳の冬、家を出た瞬間、風景が分からなくなった。その後、医師から認知症と診断され「まさか自分が」と涙があふれた。

 二年が過ぎ、症状は進む。漢字を書けなくなり、平仮名も間違える。足し算・引き算も難しく、買い物では千円札を出すので「財布は小銭でいっぱい」だ。

 水彩画は、認知症と診断された後「集中して他のことを忘れられる」と打ち込んだ。二十五年来連れ添うパートナーの佐久間登喜子さん(67)と観察したアオゲラやカワセミなど野鳥三十種以上を、写真を基に描いた作品は「細やかな色使いを工夫した」という。

 親戚の似顔絵は長寿祝いのために描いた。肌の色つやがよく朗らかな表情だ。

 十七日に会場を訪れた板橋区の森義弘さん(70)は「野鳥の色使いが柔らかく、観察力がすごい」と声を弾ませた。神矢さんは「認知症になっても、高齢になっても、一緒に楽しんでいこうと思ってもらえたら」と語る。

 絵画展は午前十時〜午後五時、無料。問い合わせは「マザアス新宿」=電03(5285)2532=へ。

 

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