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<東京人>写真の力 カラーが伝える占領下

東京

2018年3月18日

オースティンが撮った戦後の皇居馬場先濠

 戦後まもなくに撮られたカラー写真が、会員制交流サイト(SNS)で話題になる機会が増えています。撮影したのは日本に滞在した占領軍関係者。オースティン、モージャー、フェーレイス、デリーナといった人たちです。帰国とともに本国へと持ち帰られ、日の目を見ることもなかった写真が近年デジタル化され、インターネット上で閲覧できるようになりました。

 カラーで見る戦後の風景は驚きを誘い、「ここはどこなの?」という好奇心をくすぐります。SNSでは、写真に撮られた場所を特定する探求が続いています。写されたわずかな手がかりをヒントに、その場所の移り変わりをさまざまな人が語り、写真が読み解かれています。

 現在、九段下にある昭和館で開催中の「オリバー・L・オースティン」の写真展では、そんな探求の成果をまとめた「オースティンと東京」という地図を展示しています。オースティンは渋谷区に居住し、丸の内にあった連合国軍総司令部(GHQ)の天然資源局に勤務していた鳥類学者で、野鳥の保護などの政策を立案した人物です。

 彼が撮影した場所と同じ場所の写真を、動画で展示しています。新旧二枚の写真を重ねてみると、同じ部分と変わった部分がくっきりと浮かび上がり、戦後の東京の変貌を目の当たりにできます。さまざまな人が写真を読むことで、年月を経てもなお「写真の力」は引き出され続けます。 (佐藤洋一)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、4月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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