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東京大空襲「苦しみ消えない」 上野の集い悪天中止も海老名さんら300人法要

東京

2018年3月10日

「時忘れじの集い」が荒天の影響で中止となったにもかかわらず、多くの人たちが慰霊碑の前に集まった。右手前は海老名香葉子さん=台東区で

 十万人以上の命が一夜で奪われた東京大空襲から十日で七十三年。前日の九日、上野(台東区)の二会場で予定されていた、大空襲で家族六人を失ったエッセイスト海老名香葉子さん(84)=台東区=らによる追悼集会「時忘れじの集い」は悪天候で中止となった。それでも約三百人が最初の会場に集まり、急きょ法要のみ実施した。 (谷岡聖史)

 海老名さんは、JR上野駅近くに自身が建立した慰霊碑「哀(かな)しみの東京大空襲」の前で焼香。息子で落語家の林家正蔵さん(55)、林家三平さん(47)や、集まった人たちも順に焼香し、碑に手を合わせた。集会は中止のため、あいさつなどはなかった。

 法要の後、海老名さんはコメント文を発表。「どんなに時が過ぎてもあの苦しみは消えることはありません。食べ物もなくひょろひょろの人たちが、炎の地獄のあと地で親を探す子たちに、もうあきらめなと言い聞かせました」と当時を振り返り、「無惨(むざん)な戦争のいたましさを伝えなくては」と訴えた。

 東京大空襲の後、「隅田川から引き揚げた遺体が道路に並んでいたのを見た」という埼玉県上尾市の女性(85)も慰霊に訪れた。「毎年参加してきたが、足腰も弱り、今年が最後かもしれない。戦争を知っている政治家が減り、戦争についてどう考えているのか分からないのが不安」と話した。 

 

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